2010年07月06日

二重標的(ダブルターゲット)―東京ベイエリア分署 感想 今野敏


二重標的(ダブルターゲット)―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)
今野 敏
4758432252



日本版87分署といった感じの安積班シリーズ。
今野作品というと派手な拳法アクションや伝奇・SF要素なんかが結構多いのですが、この作品はそういったケレン味を排して、地に足の着いた捜査活動を描いているのが特徴的。
ただの87分署リスペクトではなく、舞台が日本国内なので日本にマッチした要素が盛り込まれていて、特に警察内での組織間の軋轢に主眼が置かれているのが面白いです。

警察小説であって厳密にはミステリーではないので、事件の謎解きに関しては普通に読み進めているうちにどんどん解明されていって、勿体ぶったヒキはありません。謎掛けをされているというよりは読者も捜査に参加しているような感覚。
そういう意味で凄く教科書的な警察小説と言えそう。
ドラマの安積さんに比べて良い意味でやや泥臭いのが好印象かな。
のんびりシリーズを追っていきたい。



posted by 黒猫 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

センチュリオン急襲作戦 感想 陰山琢磨


センチュリオン急襲作戦 (ソノラマ文庫ネクスト)
陰山 琢磨
425717353X



うーん、これは厳しい。
都市型テロやロボット兵器など題材そのものは決して悪くないんだけど、近未来世界のテクノロジーに関する考察や予測が全体的にスベリ気味(執筆当時に話題になった最新技術を節操なく詰め込んだだけという感じで、大半の技術は今となっては徒花的存在として淘汰されてしまっている)なのと、ゲーム会社を利用してテロ兵器のソフト開発を行わせるという手口が『蒼丘の槍』と同じパターンなのが気になって仕方ない。
ロボット兵器を歩兵戦闘車のポジションに見立てるセンスなんかは仮想戦記で鳴らしているだけはあるなあと、部分的には見所はあるのですけど…。

ラノベとしてはキャラが弱く、仮想戦記としては中途半端。かと言って普通の小説としてもまとまりが良いとは言えない。特にテロ計画を立案した女技術者の犯行動機がかなり強引。

やはり陰山先生は戦車小説が一番しっくり来る気がする。



posted by 黒猫 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月15日

護樹騎士団物語 4巻 熱闘!入団競技会 感想


護樹騎士団物語〈4〉熱闘!入団競技会 (トクマ・ノベルズ)
水月 郁見 鈴木 理華
4198507058



護樹騎士団第四巻。
いよいよリジューは騎士団入団試験に臨む…ということで、展開は派手になって来たかな。
入団試験が学科よりも実技偏重なのは気になるけど、物語としては守護機に乗って派手な立ち回りを演じてる方が面白いので問題無し。

さすが夏見先生だけあって、嫌らしい貴族を描かせると天下一です。
ライバルとなる貴族の子弟達は誹謗中傷、買収、脅迫何でもありで嫌な奴揃いすぎて噴いた。
まあ、金と権力はタチ悪いですからねえ。人を変えてしまうという意味で。

何気に今後のヒロインらしきミラボーが登場したりして、ノアンはどうなるの?とやきもきさせたりするところもあったが、舞台が変わればヒロインも変わるということか。
実際ミラボーの方がキャラクター的にも押し出しが強いし、こっちが本命なのかもしれませんが。



posted by 黒猫 at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タイムスリップ明治維新 感想 鯨統一郎



タイムスリップ明治維新 (講談社文庫)
鯨 統一郎
4062754495



更新サボってる間に読了した本が溜まってしまって、しかも内容が脳内からどんどん揮発し始めたので、当面あっさりめの感想が続きます。

本作品は女子高生が幕末にタイムスリップして、明治維新の英雄たちと出会いつつ元の時代に帰るために歴史の改変を目論む未来人と戦うというSFっぽい内容。作中にはヒストロームなる値が存在して、それがある閾値を超えてしまうと歴史が分岐して別の歴史が始まってしまう。その分岐した流れに取り込まれると、元の世界に戻れなくなってしまうという設定で、ちょっとAVG風味になっているのが面白い。

細かい考証とかは気にせず、娯楽作品として読むと結構楽しい作品でした。
無気力人間だった坂本龍馬が、主人公に借りた司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで一念発起したり、幕末に東スポを発行したりと軽くスベり気味なギャグも味わいがあって良い。
このシリーズはまた読んでみたいですね。




posted by 黒猫 at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月10日

神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる 感想

神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる (GA文庫)
BUNBUN
4797339004


大迫先生に黙祷。

ポリフォニカと言うと黒と赤とがメインで、その他はお飾りな雰囲気がなきにしろ非ずなんだけど、個人的には好きなんですよ青が。
そんな青の実質デビューとなったのが本書。行動力はそれなりにあるニートの主人公にヘタレヒロイン、色々とひねくれた反社会的なヒロインの上司…面白いじゃないか。
なぜ青竹以上に扱いが悪いのか未だに理解できない。


本としては短編集の形式で、青赤黒白一冊にまとめた都合上作品間のリンクなんかもちゃんと仕込まれていて、こういうのはシェアードワールドの魅力だと思う。
作家としてはベテランの方々が手がけているだけに短編でも食い足りない感は無くて、サクサク読める本でありながら満足感も感じられた。



posted by 黒猫 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月06日

老人と宇宙3 最後の星戦 感想


最後の星戦 老人と宇宙3 (ハヤカワ文庫SF)
前嶋重機
4150117160



これまた完結。
最終巻は前半部は惑星開拓物語、後半はコンクラーベとCDF両軍の間で奔走するペリーという密度の高い展開。
読んでいる途中は、開拓物語で最後までやってくれても良かったのにと思ってたけど、大冒険の果てに最後の最後で20年前(1巻冒頭)に旅立った家に帰るなんて展開を見せてくれたので満足です。


ただ、3巻は全体として慌ただしい感があり。恐らくちゃんと描けばもう2〜3冊ぶん位書けそうな話を、あちこち端折って1冊に詰め込んだ感じ。
だから例えば惑星開拓編で入植者達と原住民との間に発生した争いなんかは完全に放置されたままになりましたし、終盤でペリーがコンクラーベの提督になる辺りはかなり強引に進めた感じ。
それにしてもペリー提督がCDFによって事実上の閉鎖惑星にされている地球に降り立つとか、日本人読者意識しすぎだろ…そう考えるとコンクラーベがアメリカ、CDFが日本にも見えてくる。
特にコンクラーベの、"とりあえず降伏勧告して無視したら問答無用に焼き尽くす"やり方なんてアメリカそのものだもんなあ。



posted by 黒猫 at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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