機動戦士ガンダム大図鑑〈1 ザンスカール戦争編 上〉 (電撃EBシリーズ)数あるガンダムシリーズの中でも好きな作品御三家の一角であるVガンダム。
(ちなみに他の二つはZガンダムと08小隊。もしかすると00もその域に到達する可能性がある)
主人公が歴代最年少である事や、玩具展開を意識してデザインラインが簡略化されたガンダムの存在など、評価が分かれる作品ではありますが、内容の容赦無さに関しては間違いなくシリーズ中一番ですし、簡略化されたデザインも"量産を前提としたガンダム"という図式にしっかりとマッチしていて、個人的にはゴチャゴチャしたガンダムよりも理に適っていると感じています。MSは兵器ですから、生産性と整備性こそが一番大切です。
本書によるとVタイプはパーツも極力規格化されたものを使用して戦場での整備性を追及しているという事で、兵器としての合理性も勿論の事ながら、バックに企業や連邦組織の一部が付いているとは言えあくまで民兵組織であるリガ・ミリティアに相応しい設計と言えるでしょう。
と、初っ端から飛ばし気味ですが、本書は物語の設定紹介1割、キャラクター紹介2割、MS紹介7割…とガンダムの設定資料集における黄金律に極めて忠実な構成。
やっぱりガノタたるもの興味の中心はMSと言う兵器にある訳でして。
あまり人気があるとはいえないザンスカール系MSですが、設定画で見るとなかなかに良く纏まったデザインなのが判ります。恐竜的進化の果てに運用思想すら曖昧になっていたアクシズ系MSに比べると、用途が比較的明確に見て取れる形状であり、ゾロ→トムリアットの流れの様に欠点を改善する方向で新型が配備されているのも興味深い。
というかトムリアットはかなり好きなMSなので、何時HGUCで出るのか楽しみにしている訳ですが。
1/144だとかなり小さくなってしまうので、この際MGで変形も完全再現というのもアリですね。
MGトムリアット…想像しただけで濡れるw
この手の副読本は作品そのものを視聴してある程度時間を経てから読むと、おぼろげになった記憶を刺激して趣深い。
細かい部分はすっかり忘れてしまっていて思い出すのは時系列すら曖昧になった断片的なシーンばかりですが、それがまた作品に対する感心を再び喚起してくれる訳です。
そして、これはまだ作品の細かいディティールが記憶に残っているうちだと味わえない感覚でもあります。
昔のゲームの攻略本を読む事でかつての冒険を追体験する感覚に似ているかな?