2007年08月10日

ヴァルハラ最終指令 ハリー・パタースン

valhalla.JPG
ヴァルハラ最終指令ヴァルハラ最終指令
ハリー・パタースン 井坂 清

早川書房 1983-01
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2007年07月27日

ファイアフォックス クレイグ・トーマス

ファイアフォックスファイアフォックス
広瀬 順弘 クレイグ・トーマス Craig Thomas

早川書房 1986-12
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2007年07月18日

崑崙遊撃隊 山田正紀

崑崙遊撃隊崑崙遊撃隊
山田 正紀

角川春樹事務所 1999-07
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戦前の中国大陸を舞台に、黄河の源流にあるという伝説の理想郷崑崙を求めて、日本人青年藤村、青幇の少年白竜、殺し屋ブックウイドゥ(B・W)、謎の男森田・・・と言った面々が奇想天外な冒険を繰り広げる魔境系冒険小説。



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2007年04月10日

死に至る街 大石英司

「あいよ。俺たち、良い仕事をしましたよね?」
「本当の仕事はこれからだぞ」

死に至る街死に至る街
大石 英司

中央公論新社 2007-02
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2007年03月25日

海の底 有川浩

「私のことは忘れてください」



海の底海の底
有川 浩

メディアワークス 2005-06
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2007年02月17日

戒厳令の夜(上下) 五木寛之

鳥のように自由に空を飛べたなら




戒厳令の夜 上 (1)戒厳令の夜 上 (1)
五木 寛之

新潮社 1980-03
売り上げランキング : 568571
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ラベル:書評 五木寛之
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2007年01月19日

狩りのとき(上下) スティーブン・ハンター

タイム・トゥ・ハント

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2006年12月17日

2006年11月10日

脱出航路/ジャック・ヒギンズ

わたしたちも故国へ帰りたいんだ、どうしても

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2006年10月29日

虎07潜を救出せよ(上下)/大石英司

平和は尊い。その平和を守るために、多少の緊張や裏工作は必要ですよ。あんな時代を二度と招かないためにね。


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2006年10月24日

2006年09月26日

クルドの暗殺者 改版 (上下)/スティーブン・ハンター




「極大射程」や「狩りのとき」で一部のガンマニア(僕です)にカルト的な支持を得ているS.ハンター。彼の初期作品にあたる本作、随所に後のハンターらしさは感じられるものの、全体として詰めの甘い部分が多く、世間で本作の評価が今ひとつ高くない理由を再確認する事となってしまいました。

まず作品内登場人物の視点があまりにめまぐるしく変わる点、これは本作に限らず初期のハンター作品の特徴でもあるんですが、それが「真夜中のデッド・リミット」の様にプロットが比較的シンプルな作品では物語を多角的に見せる効果として成功しているものの、本作の様に必要以上に入り組んだプロットの作品では読者を混乱させるだけになっています。終盤にかけてのダンツィグの視点などまさにそれで、完全な蛇足と言えるでしょう。

偶然の要素に頼って物語を進展させている部分も強引とか言いようがありません。前半のメキシコ編など、半分近く偶然の積み重ねで物語を進行させています。(それでもメキシコ編を単品として見れば結構面白かったりするのですが)
欲張って色々な要素を詰め込みすぎ、複雑に絡み合ってしまったプロットを無理に進めようとしてしまった結果だと思いますが、やっぱり後のボブ・リー・スワガ―シリーズの様にある程度絞り込んだプロットの中で登場人物を目一杯動かす作風のほうが個人的には好きです。

そして何より、本作の位置付けがよく分からないという点。
本作は大国のエゴで使い捨てられたクルド人革命家による復讐劇なのか、それとも同志と恋人を裏切って以来すっかり自信を喪失してくすぶっていた元CIA工作員の再生の物語なのか、それがはっきりしません。これは物語として致命的でしょう。

ちなみにハンターと言えば、必要以上に濃い銃器描写が魅力の一つです(大藪的な濃さとは別次元です)が、本作ではそのあたりも控えめとなっていて、後の作品からハンター世界に入った人には少し物足りないでしょう。
もっとも、日本ではスワガーシリーズより後に本作が刊行されたのでたいていの人は後の作品から入っている訳ですが。
ハンター作品の源流を知りたいと言う人向けです。
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2006年09月09日

虐殺魔〈ジン〉(上・下)/マシュー・B.J.ディレイニー

虐殺魔〈ジン〉(上)虐殺魔〈ジン〉(下)


捻りの無いタイトルに反してかなりアタリでした。

太平洋戦争最中の1943年、ブーゲンビル島に上陸した米国海兵隊を襲う人知を超えた正体不明の敵、そして60年後、ボストンで連続発生する謎の猟奇的殺人事件。事件を追う刑事は事件の裏に潜む千年以上に渡る壮大な戦いを知る・・・。

大筋はこんなものです。ここにホラー要素、宗教的要素、サスペンス要素、アクション要素、伝奇要素、ミリタリー要素等などなど詰めも詰め込んだりですが、やや強引ながらそれらが破綻せず一本の線に纏まっている構成力はたいしたものだと感じました。

比率は多分ホラー要素が一番高いでしょうか。特に上巻冒頭のブーゲンビル島編、下巻前半のボスニア編は時代こそ違いますが戦場という非日常的空間を上手く生かして狂気と恐怖が非常に巧みに演出されています。「地獄の黙示録」を彷彿とさせる静かな狂気と「ブラックホーク・ダウン」的な憎悪の狂気のコラボは多分にハリウッド的ではあるものの、それだけに普遍的な恐怖演出でもあります。特にボスニア編の廃墟となった学校内でのシーンはゾクゾク来ますよ。

しかし最近は海外でも輪廻転生ネタって通じるんですねえ。


★関連記事
極北のハンター 感想
殺戮者カイン 感想


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2006年07月10日

キッカー 航空投下員/鳴海章




鳴海章氏の本は随分久しぶりで、昔戦記ものにハマっていた頃以来です。

第二次世界大戦終結直後の中国大陸。
アメリカの航空会社「エンジェル・エアー」に所属する主人公龍太少年と仲間達が中古の輸送機を駈って物資を運ぶ途中事故により墜落。皆何とか一命を取り留めるも共産ゲリラに捕まってしまう。
そんな彼らを救出したのは何と日本軍の残党達だった。国に捨てられた彼らは混沌とした大陸で生き延びる為にある計画を企てており、その為に腕の良い輸送機クルーを必要としていたのだ・・・。

という話。冒険小説の王道と言っても差し支えのない大風呂敷感が漂っていて好感が持てます。
主役である輸送機クルー達も元アメリカ陸軍の腕利きパイロットや名前を変えて中国人として生きていく事を選んだ元日本軍の諜報員など一癖も二癖もある面々で、素材としてはなかなか魅力的なものが揃った感じ。
なのに。
出来上がった作品はどうにも中途半端でした。
無駄にエロが多かったり、いきなりカンフーで戦い始めたり、肝心の航空機を使用したアクションが少なかったり。B級映画のノリになっちゃってます。
ただ文中では戦記もの系作家作品には珍しく、飛行機や銃の固有名詞が一切使われていないんですよね。「アメリカの輸送機」「戦前アメリカから輸入した輸送機を日本がコピーしたもの」といった感じ。
マニアな人ならそれが何と言う機体を指しているかは判ると思いますが。

あえて固有名詞を避けたのは、マニア向けではなくあくまで一般的な娯楽作品を目指して書かれたからじゃないかとも思います。
そういうコンセプトなら、いきなりカンフーバトルが始まったのも、とかくマニアックになりがちな航空アクション部分があっさりしているのも納得できなくもないし、またそれをある程度評価できなくもないです。エロに関してはまあ、鳴海氏ですから(笑)。

3時間ほどで読めるので息抜きには丁度いいかも?


レビュー22冊目
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2006年06月04日

銃撃の森



スペンサーシリーズでおなじみロバート・B・パーカー氏によるガンアクションもの。原題は「WILDERNESS」。
内容に関しては、極限までシンプル化された復讐ものと言ってもいいでしょう。
殺人事件の現場を目撃してしまった主人公アロンは、警察に犯人像を告げるが、それを知った犯人カールはアロンの妻を辱めて証言を撤回させるよう脅迫をかけてくる。一度は脅迫に屈したアロンだが、誇りと更なる脅迫に対抗する為、警察の手を借りずカールを始末する計画を立てる。時を同じくしてカールも身の安全を確保するためにアロンを始末する計画を立てていた。

・・・普通の小説ならこの辺りまてで全体頁数の半分は使っているものだけど、この作品はここまでで全体の1/4程度しか使っていない。
残り3/4は延々復讐劇に割かれているのだから、ある意味斬新ともいえる?
さて、この復讐劇に参加するのはアロンとその妻、アロンの友人でもと軍人のフッドの3人。
この3人がまたなんとも癖がある人物で、アロンはマッチョズムに憧れつつも妻の尻に敷かれて鬱屈としたものを抱えている小説家、妻はひたすら強気で犯人一味に辱めを受けた怒りで復讐劇に参加、友人フッドはどこか人としてのタガが外れた戦争マニア。
正直悪役一味より危険な雰囲気が漂っている。
中盤でカールが送り込んできた刺客をフッドがあっさりと返り討ちにする章があるんだけど、相手の死体をシートで包んでトランクに詰め、空港の駐車場に放置して発見を遅らせる描写なんかは既に善良な市民の行為とは思えません(笑)

この刺客を倒した辺りで構図が一転し、これまでの「追われる側」から「追い詰める側」に立場が変わってくる。カールが湖畔の別荘にいると知った3人は銃を手にカールを始末するべく森の中に分け入り、ゲリラ的戦法でカールの手下を一人づつ始末していく。
この森の中でのサバイバルの様子なんかはどこか体育会系な匂いがしますね。後に書かれた「ポットショットの銃弾」もそうだけど、作者はこうした体育会系が好きなのかもしれない。

初出は結構古い作品なので、登場する銃器もどこかクラシカルな感じです。
S&W M40とかスプリングフィールド狙撃銃とかワルサーP38とかM1カービンとかブラックホークとか。しかしそうした小道具以外の点ではさほど古さを感じないのはやっぱり物語の大半が大自然の中でのゲリラ戦に費やされているからか。


そうそう、ラストバトルは銃撃戦ではなくアメリカらしく格闘戦です(笑)

posted by 黒猫 at 11:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 冒険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月26日

地上50m/mの迎撃 その3

→前回はこちら

ラストバトルとなりました。

まず3部に来て新たに明るみになった事実がいくつかあるのでそちらを整理したい。
主人公グレイはベトナムの英雄ではあるものの、心に深い傷を負っている。その傷の原因とは除隊間際の最期のミッションで、味方スナイパーを誤射して殺してしまった事。
しかも、その事を軍に報告せず隠しているという。
・・・いくら米軍がおおまかな組織とは言え隠せるもんじゃねえだろう。スナイパーは別に気ままにふらふら行動しているわけじゃない。担当エリアがあるし、そこに他の友軍スナイパーが紛れ込むなんて考えられない。
この辺りは実は2部で出ていた話なんだけど流石に無理があると作者も思ったのか、

味方だと思った件のスナイパーは実は米軍兵士に偽装したニコライだった

という壮烈なこじつけをしてきました。おいおい確かに2部では誤射された友軍兵士は鼻面に弾喰らって死亡していたと書いていたじゃないかあ。
しかも奇跡的にグレイの放った弾は骨に沿って走ったので肉をえぐられ、頭蓋骨を削られただけで一命は取り留めたって・・・男塾ですか?
とにかくそう言うことで、ニコライは自分を半死半生の目に遭わせてくれたグレイを憎み、同じシチュエーションで復讐するために今までのお膳立てをしていたという事に(急遽)なった。
グレイの故郷、ソートゥース山脈奥地で対峙する二人のスナイパー、いよいよ馬鹿バトルの火蓋が切って落とされる。

草原に潜むグレイを燻りだすために草原に火を放つニコライ。
火に巻かれて半身ケロイドになっても死なないグレイ。服が焼けてヤケドが剥き出しになった部分に泥を塗りつけて偽装する。
遮蔽物に隠れていたら、丁度頭の上にあった蜂の巣をグレイに射撃されて蜂の群れに襲われるニコライ。全身数千箇所を蜂に刺されても死なない。
長丁場になってくると水場に毒を入れて相手の飲み水を断ったり、ブービートラップ仕掛けてみたり。
・・・
・・・・・・
・・・・・・これは殺伐としたトムとジェリーですか?

いや、本当にこれ面白いよ。
もう馬鹿。本当にお馬鹿。だけどそこが良い。
是非映画化して欲しいですな。CG無しで。
ラストはまあお約束どおりでしたが、久々に本能(だけ)で楽しめる作品でした。
お薦め。


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2006年05月23日

地上50m/mの迎撃 その2

前回はこちら


物語は中盤に入ってきましたよ。
第一部で睨んだとおり、犯人はニコライで鉄板でした。
おいおいもう少しヒネリはないんかYo!初っ端で犯人が分ってしまうのもどうなんかいなあ・・・と思ったりもしたけれど。
このニコライたん、相当ブチキレたお方です。
人間と言うよりは爬虫類の様な感じで、ソ連のアフガニスタン侵攻に従軍した際には、相手を殺さぬように最高何発撃ち込めるかとか、既にスナイパーじゃないやんという所業を重ねている。
ちなみにその記録は12発。とどめの一発を入れて13発。
えーと、本編では触れられてないけど、ソ連の狙撃兵(ソ連軍は西側でいう歩兵は全て狙撃兵と呼称するんだけど)と言うことで当然使用銃はドラグノフSVDだと思います。
ドラグノフの装弾数は10発なので、途中のマグチェンジも含めて結構長い間一人の敵を撃ち続けていたことになる訳だけど・・・思いっきり狙撃場所が露呈するやん(笑)。
しかも、そうした行為は当時ニコライの観測手をしていた男の口から語られるんだけど、ソ連軍に観測手付きのスナイパーなんていたんですか?
狙撃銃の運用からして西側のそれとは全然違う筈なんだが。まあいいや。
ともかく、そんなイカレたニコライは気に食わない上官を狙撃して強制収容所に送られるんですが、そこも脱走、丁度手術の為外国に向かう予定だった父親に付いて国外脱出、グレイと戦うためにアメリカにきたと言う設定。
なんでグレイ?というと、どうも現時点で明らかになっている限りでは
「俺より強い奴に会いにいく」(意訳)
だ、そーです。
アホだ・・・。

一方そんな迷惑な奴に付き纏われているグレイは、ニューヨークにいてはまた周りの人間を巻き込む事になり兼ねないので子供達を知人に預けて故郷アイダホの山小屋に引き篭り、そこで迎撃する事にした。彼の父親の友人だった警察署長やFBI、軍、そして友人のコウツ(何でニューヨーク市警の刑事がアイダホまでのこのこ出張ってくるのかは謎)に影の薄いヒロインのエイドリアンといった皆様の協力で万全の体制を整える。
しかしニコライは不気味に防衛線を突破しつつグレイの待つ山小屋に迫りつつあった・・・。
というのが中盤の話。
なんだか突っ込み所だらけの話なんだけど、不思議と面白い。破天荒なパワーが考証云々といった些細な部分を完全に吹き飛ばしているんだよね。
極限まで単純化すれば、ベトナム戦争の正統派英雄とアフガン侵攻のサイコ系ヒーローがガチで勝負をする、ただそれだけの話。高邁な思想や世情に対する何らかのテーゼなど一片のかけらも無い、ただ撃つか撃たれるかという実に分りやすい話。こういうの絶対日本人には書けないよな。
気になるのは別に無くてもいいシーンが多少挟まれている事。エイドリアンとの恋愛もどきとか、グレイのチープな苦悩とか。カットした所で物語の面白さは何ら損なわれません。
うーん、行数稼ぎかなあ。

次回はいよいよラストバトルか?
posted by 黒猫 at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月19日

地上50m/mの迎撃 その1



あちこちの書評やアマゾンでの評価をみて以前から探していたのがこれ。
もともと銃アクションは好きなので色々読んでいたんだけど、最近は海外モノが好み。と言うのも日本人作家の銃が出て来る作品はどうもモデルガン臭いというか、銃のカタログデータには詳しくても肝心の「実感」があまり感じられないから。
こんな事書いてる私自身撃った事があるのかというと海外旅行で観光客相手の射撃場にて多少撃った経験しかありませんので実感なんて書くのもおこがましい気がしなくもないけど、ほら、何と言うか、感覚的に感じるものがあると思うんですよ。
国産モノは銃の抜き方とか、マグチェンジの描写とか、形ばかりに凝っている割に銃身の加熱やブラストが及ぼす影響とか発砲炎で眼がくらむとか、そういった事に関する描写がものすごく「薄い」気がする。

余談はさておき、今回は第一部を取り上げます。ちょうど3部構成なので3回レビューでちょうど良い感じだと思います。
主人公グレイはベトナム戦争で「ホワイトスター」と恐れられたスナイパー。
100人近い敵を撃ち倒してきたと言う設定です。
というか、スナイパーの任務を考えるとその数はありえないでしょーと言う感じ。
「ホワイトスター」と言う渾名の由来は常に倒した相手の側、若しくは狙撃ポイントに紙で折った星をサインとして残して行ったからだと言うけど・・・そんな自己顕示欲の強い人間にスナイパーが務まるとは到底思えない。
待機から狙撃、撤収に至るまで完全に姿を消して痕跡一つ残さないのがスナイパーだと思うんですが・・・。

そんなグレイは銃を捨て、現在は連邦検事補として生計を立てている。
この手のアクションもので主人公がホワイトカラーなのは結構レアな気がしますね。そもそもどういう経緯で検事補になったのかも良くわからないけど、離婚後東洋人の養子三人を迎えて、決して裕福ではないものの幸せに暮らしている。

事件はグレイの関った公判で無罪判決を勝ち取って意気揚揚と演説をぶっていたマフィアのボス、デ・サロが突如凶弾に倒れる所から始まる。狙撃現場に残されていたのは赤く塗られたライフル弾の薬莢――。
続いてまたしてもグレイの関った公判で被告が狙撃され、例の如く赤い薬莢が残されていた。
犯人はグレイの側にいる人間を無作為に狙撃しており、まるでグレイを挑発している様な感じ。
親友のコウツ刑事と犯人を追い始めたグレイはロシア人スナイパーヴィクトル・トゥルソフにたどり着く。彼は先の大戦に於けるスターリングラード攻防戦の英雄で、(多分モデルはヴァシリ・ザイツェフだと思われる)年老いた彼は既に銃を持てる状態ではなかった。しかし彼の息子二コライもまたスナイパーで、どうやら犯人はニコライらしい。
個人的にはザイツェフと戦って欲しい気もするが、「ソ連人民最大の英雄」を敵として登場させる勇気は作者には無かったようです。
ともあれ、犯人の目星は付いたので罠を仕掛けておびき出す計画を立てるが、相手は更に一枚上手でグレイは家政婦のミセス・オーランドを死なせてしまう。
敵の目的はどうやらグレイとの対決であり、彼を怒らせて再び銃を取らせる事が目的だった。
・・・というのが第一部。
登場人物何人か端折ってますが、この脇役達もイカレ気味で良い味してます。
もとグレイのパートナー(観測手)は奇天烈なコレクションをしている変人だし、一応ヒロインのエイドリアンは柔道の達人にして微妙にツンデレだし、三人の養子もなんかピント狂ってるし。
設定自体もピントがずれているせいか、全ての要素が渾然一体として独特のムードをかもし出してます。
・・・これは当りの悪寒。
posted by 黒猫 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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