山崎 透
今年のゴールデンウイークは忙しさのあまり妖精さんが見えたぜ…!
という訳で、妖精さんとプチ駄目人間な「わたし」が繰り広げるファンタジックでメランコリックでエキセントリックなメンヘル物語第4弾。
決してメルヘンではありませんし、メルヒェンでもありません。メンヘルです。ソコントコヨロシク。
今回も相変わらずのノリで、そこそこ事件らしい事件は起こっているものの、それら複数の事件が密接に関係していて、バラバラのピースを嵌め合わせると巨大な陰謀や世界の危機が見えて来たりする事はまったくありません。
食糧難に陥ったクスノキの里で不気味な動くメリケン鶏肉と壮絶チェイスを繰り広げてみたかと思ったら、湖の中に浮かぶ小島でわたし王国を築いてみたりと、いい感じにノリ任せ。
作者ももしかしたら妖精さんなんじゃなかろうか。
後半の島に王国を築く話は個人的に結構好きですね。文明創造シミュレーションみたいな楽しさがあって。
チョコレートを作り出すために恐ろしい苦労を払うあたり、無から有を生じせしめる事の困難を感じた。
僕も妖精さんと島で王国を作りたいなあ。そして王様になって…いかんいかん、これは罠だ。
そんな厭世的な妄想に浸っていたら、人として大切な何かを見失ってしまう。
本当、1巻の頃は作者の記述どおり妖精さんは人類に代わる地球の主だと信じていたのですが、その不可思議な神出鬼没ぶりを見るにつけ、メンヘル的な意味での妖精さんの方ではなかろうかという疑念ばかりが強くなっていく。
作者のあとがきを読むとそれはもう確信に変わってしまう訳で、まったく、恐ろしいトラップだよ!
僕の頭の上にも鬱雲がかかりそうです。
人類は衰退しました 1巻感想
2巻感想
3巻感想