2012年03月18日

スワロウテイル/幼形成熟の終わりの感想

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳
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1作目で完結してたと思ってたら2巻目が出てたでござる。
1巻(と言ってもいいのかな)で感じてた、作者の人の内面部分のあれこれが2巻では更にパワーアップして全面に出てきていて、その点に関しては評価が分かれるみたいですが俺は支持します。
というのも、この作品は壮大な作者の照れ隠しみたいなものが随所から感じられて、読了したあとなんだかニマニマしてしまうんであります。

例えばレギュラーの鏡子女氏の言動なんかは、ひところブームになったジコセキニン論を更に先鋭化させた様な、はっきり言って不快感しか感じられない物言い(この物言いを小気味良いと感じる方もいるらしいが、そういう人は多分「世間」と「自分」は隔絶した存在で合って、あらゆる世間の荒波や風雪は自分のところには届かないと盲信していられる幸せな身分の方だと思う)をズババンとやってのける訳でありますが、ではその鏡子さん自身はどうかというと、その言説を率先して体現しているとはお世辞にも言えない引きこもりで、決して独立独歩な無敵超人ではありません。
俺はジコセキニン論というのは、あらゆる意味で自己完結した超人にのみ許される理論であって、多かれ少なかれ他人の影響としがらみの中で義務と責任を共有しながらでないと生きられないい圧倒的多数の凡人が振りかざすべき言説だとは思ってません。
いや、別に言うのは個人の勝手なんですけど、それは天に向かって唾を吐く行為でしかないと。そういう話です。

ともかく、一見すると無茶言ってんなーと思えてしまう部分が悪目立ちしている一方で、物語自体はその正反対。
作者の人が本気で鏡子理論を信奉しているなら、今回の事件に関わった大半の人物は惨めに死にさらす筈なんですが、それなりの救済が用意されているわけです。一連の突き放す様な言動は何だったか…と言うと、やっぱり照れ隠しなんかなあ。
個人的にこの作品で一番好きな部分でもあります。


物語の方は中盤までバラバラに起きていた事件が終盤で1つに収斂される構成になっていて、若干力技も無きにしろあらずではありますが基本的にはテクニシャンといった感じです。
最後にどんとひっくり返しもありましたしね。
ちょっと読みづらい部分もありますけど、読了すればそうした不満もあまり感じませんでした。満足。





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2011年04月28日

ジェノサイダー―滅びの戦士たち 梶尾真治 感想

ジェノサイダー―滅びの戦士たち (ソノラマ文庫)
梶尾 真治 米田 仁士
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行方不明となっていた有人火星探索船が地球に帰ってきた。
しかしその乗組員達は、人ならざる存在『ジェノサイダー』と化していて、人類を滅べすべく暗躍を始める…という、B級テイスト溢れる娯楽SF。
SFと言ってもハードSF的な要素は皆無で、どちらかというとハリウッド映画のノリに近い。小難しいことは考えず素直に読むのが吉。

いきなりだけど、なぜ乗組員達がジェノサイダーなる怪物に変化してしまったのかに関してのタネ明かしが正直なところヤケクソ気味に感じた。人類を宇宙に発生した異常細胞と定義するのも、些か時代を感じる部分がある。
異常細胞を駆除するキラー細胞的な存在としてジェノサイダーが発生したという基本構造自体は興味深いものがあるだけに、変に神を匂わせる意思を背景に据えたのが逆効果。
もっと自然発生的にジェノサイダーが出現したという方が良かったかな。

あと作中で原発を派手にデストロイしたりとかは、原発=絶対安全神話が生きていた当時だからこそ許されたジョーク。
今となっては笑えないネタなんだろうな。



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2010年10月30日

大戦前夜(上下) 感想 ジョン・リンゴー


大戦前夜〈上〉―ポスリーン・ウォー〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
ジョン リンゴー John Ringo
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大戦前夜〈下〉―ポスリーン・ウォー〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
ジョン リンゴー John Ringo
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上下巻分冊となっているが、1冊当りの分量を考えればわざわざ分冊する必要性を感じないレベル。
文字もやや大きめでスラスラ読めるのは心地良いが、財布的には文字を小さくしてでも1冊にまとめてくれたほうが有り難かった。

内容的には古式ゆかしい宇宙からの侵略者と戦う物語なんだけど、少し設定にひねりがあって、好戦的なポスリーン人という宇宙人と、比較的平和主義な複数種の宇宙人によって組織された"連邦"との戦争に地球が巻き込まれるという迷惑な話になっている。
連邦曰くはポスリーン人の進行ルート上に地球があるので他人事ではないという事らしいが、作中で描かれる連邦の内情…種族や能力によるカースト制っぽい社会…が胡散臭いことこの上ないし、いくらポスリーン人に対抗するためとは言え、充分に好戦的で連邦の基準からしたら危険な種族の地球人を利用するからには何か裏があるような気がする。
また、時代設定が現在から10年ほど前の、テロとの闘いが始まる直前の時代というのも興味深い。
さすがに現代の戦力では宇宙人とは戦えないので、連邦から技術移転して開発された新兵器で対抗する事にはなっていますけど、一部の現用兵器はそのまま使用されるので、看板の「ミリタリーSF」も決して嘘ではない。そんなにミリタリーっぽくはないけれど。


で、作中の宇宙人達の描き方で面白いのは、下巻の後半では敵であるポスリーン人の視点で描かれるシーンが結構挿入されるのだが、社会システムや文化(特に食文化)に関しては地球とは全くかけ離れているものの、感情の起伏や思考のロジックに関しては地球人にも理解しやすいものになっていて、"連邦"の胡散臭い宇宙人達よりもある種の親しみを感じてしまうものになっている。
そういう視点でポスリーン人を見ると、あらゆる生物を食ってしまう悪食ぶりはまるでお隣りの国の人みたいだし、複数の梯団を組んで数で押し寄せてくる戦法はまるでお隣りの国の戦術みたいだし、実はこれある種の黄禍論的思想で書かれた作品ではなかろうかとも思える。
ポスリーン人の血が黄色いのも、黄色人種の隠喩とも取れるし。


なお、この上下巻は物語のプロローグでしかなく、これから長い長いポスリーン人との本格的な戦いが始まるんだそうです。




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2010年10月26日

スワロウテイル人工少女販売処 感想 籘真千歳

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)
籘真 千歳 竹岡 美穂
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テーマが結構散逸してしまったというか、物語当初に示された人工妖精による連続殺人事件の謎解き部分がなにやら右往左往するうちに狐につままれたような形で片付けられて、主題が見えづらい印象を受けた。

だけど、それを以てしてこの作品を駄作とするかというと否で、確かにシナリオ的には枝葉が多すぎて本筋が見えにくいものだったけど、世界観の見せ方や古今東西の作品から様々な要素を盛りこんでアレンジしている点に関しては非常に面白かった。
未来都市とか人工的に作られた人間型の生命体とか言うとブレードランナーやAPPLESEEDを彷彿とさせるし、人工妖精と人とのあり方はFSSでもあり、蝶型のマイクロマシンによる浄化は極楽蝶の様でもあり…多分他にも元ネタ付きのものはたくさんあると思う。

たぶん作者が描きたかったのは、殺人事件の謎を追うサイバーパンク風ミステリーよりも、上記の様なSFのごった煮であり、作者が読んでもらいたいと思っているのはそうした元ネタを理解し、作者の意図を汲める人なんだろうと思う。
聞きかじった断片的な知識で一つか二つの元ネタを見つけて、パクリパクリと喚き立てる様な薄っぺらい読者はノーサンキューなんだろうな、きっと。
つーかこれをパクリというなら、ニャル子さんはクトゥルーのパクリってことになるよねw

そんな感じで、オタ向けSF好きの人なら楽しめるというか、むしろそれ特化作品かもしれない。



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2010年07月06日

センチュリオン急襲作戦 感想 陰山琢磨


センチュリオン急襲作戦 (ソノラマ文庫ネクスト)
陰山 琢磨
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うーん、これは厳しい。
都市型テロやロボット兵器など題材そのものは決して悪くないんだけど、近未来世界のテクノロジーに関する考察や予測が全体的にスベリ気味(執筆当時に話題になった最新技術を節操なく詰め込んだだけという感じで、大半の技術は今となっては徒花的存在として淘汰されてしまっている)なのと、ゲーム会社を利用してテロ兵器のソフト開発を行わせるという手口が『蒼丘の槍』と同じパターンなのが気になって仕方ない。
ロボット兵器を歩兵戦闘車のポジションに見立てるセンスなんかは仮想戦記で鳴らしているだけはあるなあと、部分的には見所はあるのですけど…。

ラノベとしてはキャラが弱く、仮想戦記としては中途半端。かと言って普通の小説としてもまとまりが良いとは言えない。特にテロ計画を立案した女技術者の犯行動機がかなり強引。

やはり陰山先生は戦車小説が一番しっくり来る気がする。



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2010年06月15日

タイムスリップ明治維新 感想 鯨統一郎



タイムスリップ明治維新 (講談社文庫)
鯨 統一郎
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更新サボってる間に読了した本が溜まってしまって、しかも内容が脳内からどんどん揮発し始めたので、当面あっさりめの感想が続きます。

本作品は女子高生が幕末にタイムスリップして、明治維新の英雄たちと出会いつつ元の時代に帰るために歴史の改変を目論む未来人と戦うというSFっぽい内容。作中にはヒストロームなる値が存在して、それがある閾値を超えてしまうと歴史が分岐して別の歴史が始まってしまう。その分岐した流れに取り込まれると、元の世界に戻れなくなってしまうという設定で、ちょっとAVG風味になっているのが面白い。

細かい考証とかは気にせず、娯楽作品として読むと結構楽しい作品でした。
無気力人間だった坂本龍馬が、主人公に借りた司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで一念発起したり、幕末に東スポを発行したりと軽くスベり気味なギャグも味わいがあって良い。
このシリーズはまた読んでみたいですね。




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2010年06月06日

老人と宇宙3 最後の星戦 感想


最後の星戦 老人と宇宙3 (ハヤカワ文庫SF)
前嶋重機
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これまた完結。
最終巻は前半部は惑星開拓物語、後半はコンクラーベとCDF両軍の間で奔走するペリーという密度の高い展開。
読んでいる途中は、開拓物語で最後までやってくれても良かったのにと思ってたけど、大冒険の果てに最後の最後で20年前(1巻冒頭)に旅立った家に帰るなんて展開を見せてくれたので満足です。


ただ、3巻は全体として慌ただしい感があり。恐らくちゃんと描けばもう2〜3冊ぶん位書けそうな話を、あちこち端折って1冊に詰め込んだ感じ。
だから例えば惑星開拓編で入植者達と原住民との間に発生した争いなんかは完全に放置されたままになりましたし、終盤でペリーがコンクラーベの提督になる辺りはかなり強引に進めた感じ。
それにしてもペリー提督がCDFによって事実上の閉鎖惑星にされている地球に降り立つとか、日本人読者意識しすぎだろ…そう考えるとコンクラーベがアメリカ、CDFが日本にも見えてくる。
特にコンクラーベの、"とりあえず降伏勧告して無視したら問答無用に焼き尽くす"やり方なんてアメリカそのものだもんなあ。



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2010年04月24日

蒼穹の軌道爆撃隊 谷甲州

蒼穹の軌道爆撃隊 (C・NOVELS)
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谷甲州作品としてはわりと初期の作品になるのですかね、執筆された時期が時期だけに、そして舞台が近未来だけに、多少なり時代を感じてしまうものがあった。

作品は一応SFの皮を被ってますけど、実体は第二次世界大戦当時ナチスドイツが研究開発していたゲテモノ兵器2種を近未来に蘇らせて、コンパクトな冒険活劇を拵えてみましたという感じ。
基本的に一冊読み切りに近いスタイルなので、チベット問題や宗教テロ等の要素を盛り込みつつもあっさり味。
ただ、谷甲州センセイの作品はドラマチックなストーリーよりも細かい設定で読ませる方向性なので、二大ゲテモノ兵器をモデルにしたイントレピッドや長距離砲のディティール、宇宙空間の描写などは読み応えがあります。
また、執筆時期が決して新しくはないに関わらず、物語の主題部分にチベット独立運動問題を取り合っていたりするのは美点です。

でも、やはり物語性が淡白なので、谷作品に関心がない人にはあんまり楽しめないかもと思った。




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2010年03月15日

虐殺器官 感想 伊藤計劃


虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
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国産SFでは珍しいデストピア作品。
テロの温床として無法地帯と化した途上国を舞台に頻発する大量虐殺と、それに関わる謎の米国人ジョン・ポールを追うミリタリーテイストのSF&サスペンス。


作中で描かれる未来世界はとにかく暗い。テロル、貧困、内乱、搾取。この世の醜いあらゆるものが凝縮されて作品に詰め込まれてて、それらはここ10年程の我が国では話の俎上に乗せただけでブサヨだ中二病だと指弾される事柄ばかりではあるけど、それでも敢えて作品のガジェット…のみならず底流を貫く芯の部分として使用した事は素直に凄いと思います。
作者が主人公を通して読者に切々と問い掛けてくるような筆致には些か青さを感じなくも無いのですが、そこは作者の問題提起意識として好意的に受け取るべき部分かも知れません。
いずれにせよ、00年代前半の熱病に取り憑かれていた様な熱狂が冷めてきたここ数年だから評価されていますけど、たぶんイラク戦争当時頃に発表されていたらボロクソに叩かれていたでしょうね。


SFとして見ると、虐殺に関する文法などのガジェットに関する解説らしい解説がほとんどなされてないことや、ミリタリー要素に関しても多少考証が甘い部分はありますが、上記のごとくに、今、こういう時代に敢えてこういう作品を発表したという事に大きな意義があると思うし、読了後しばらく陰鬱な気分にさせてくれる点で作品としての破壊力も充分だと思います。


終わり方に若干破壊願望が垣間見られることと、物語を通して死の影が付き纏っているのが印象的でしたけど、作者の方は急逝されたのですね。
それを知ると作品を覆う独特の空気がより陰鬱さを増して感じられる…。
名作ではありますが、強い欝要素を持っているので読む際には注意が必要です。



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2010年03月06日

宇宙海兵隊ギガース 5巻 感想



宇宙海兵隊ギガース 5 (講談社ノベルス)
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クライマックスと見せかけてまだ引っ張る気満々ですねえ。
順次謎は明かされてきたし、見所もしっかりと用意されているし、決して悪くはないんですけど、ストーリー展開的にこれ以上引っ張ると相当希釈化された内容になりかねない気がします。

5巻ではミズキの正体と木星圏との戦争の立役者に迫る展開がメイン。
ほとんど作品のメインと言ってもいいほどの2大要素に関する伏線が一気に回収された形なので、ポリティカル的な小説としてのケレン味はなかなかのもの。
この辺りは今野先生らしい、手馴れた感じでした。

その一方で、戦争が最終局面を迎えつつあるのに戦闘自体は限定的&散発的で、SF小説としては些か物足りないなあ。もちろん宇宙空間では限定的な戦闘しか起こりえないという考証があっての上での展開なのは作品でも触れられていて、それはそれで納得のいくものではあるんですけど。
また折角のロボットものなのにロボットのメリットが今ひとつ描ききれていない雰囲気は感じます。
巨大人形ロボのメリットなんて真剣に考えれば全く無い事なのは理解しますが、物語なんだからその辺はもっと嘘吐いてもいいと思うんだぜ…。

さすがに次の巻でラストだと思うので付き合う気はありますが、最後くらいは派手に締めてくれてたら嬉しい。


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2010年01月15日

プロバビリティ・サン 感想 ナンシー・クレス

プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)
Nancy Kress
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シリーズ一作目の『プロバビリティ・ムーン』は、地球人とフォーラーと呼ばれる異星人との宇宙戦争を背景にしながらも、内容は"世界"人とのコンタクトものであり文化論的な色彩が強い異色の作品でしたが、シリーズ2作目の本書ではやや宇宙戦争的なムードも出てきました。
と言っても直接的な戦闘は描かれず、"世界"に眠る戦局を覆す力を秘めた人工物の謎に大きく迫るという意味で戦争と言う背景を強く意識させるという形。
敵異星人のフォーラーを捕虜にしたりと1巻よりは剣呑な部分が出てきたと言うだけで、やっている事そのものに関してはあまり変わってない気もします。
捕虜にしたフォーラーともコンタクト計ったりしてるし。


フォーラー側も同様の人工物を入手していることや、互いに人工物を使った戦争を行うと宇宙そのものが崩壊してしまいかねない点など、互いに地球を滅ぼすに充分な量の核兵器を突き付け合っていた冷戦時代を思い出させるものがあり、完結となる3巻でどのような物語が展開されるのか先が良い意味で見えなくなってきた気がします。

なお作中の人工物の効用に関しては超ひも理論などに絡めた宇宙論をベースにして語られていますので、たぶんそっち方面をある程度齧っておいた方がより理解が進むと思う。理解できればの話ではありますが。自分にはちょっと荷が重いですw
冒頭で参考文献としてブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」が挙げられていますので、機会があれば手に取ってみよう。

なお、1巻で読みにくさを演出していた世界人の「共有現実」はこの巻後半で消失します。
おかげで物語のテンポが良くなった上に、共有現実が無くなり個が確立された事によって世界人が地球人と同じ感情――猜疑心などを持ち始めるくだりは微妙に毒が効いていて面白い部分でした。





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2010年01月11日

カリスト−開戦前夜− 感想 谷甲州



カリスト―開戦前夜 (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 260)
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航空宇宙軍との開戦を目前にした外惑星連合軍首脳部の駆け引きを描くポリティカルSF。

未来の太陽系を舞台にした物語でありながら、外惑星連合軍首脳部の描写は第二次世界大戦直前の我が国のそれを思い起こさせるものがあって、そういう生々しさはやはり谷甲州先生ならではだと思った。
特に主戦派の、思い込みと妄想に基づく甘い認識を基板とした航空宇宙軍に対する奇襲攻撃プランなんて既視感バリバリで読んでいてなんとも居心地が悪い。

軍備と言っても短期間で戦闘艦に改装可能な輸送船を多数配備する程度のお粗末な代物だというのに(ワシントン海軍軍縮条約やベルサイユ条約下でこっそりと軍備を拡張する手段としてこれは客船です!これはトラクターです!という名目で兵器転用を前提にした機材を揃えて行った前例はあるけど)敵を侮ること甚だしいと言うか。
何時の時代の何処の国にもこういう軍人はいるのだろうけど、それが運悪く将軍なんぞになった日にはそれこそ特大の不幸という奴なんだろう。


正直なところダンテのパートが懸命にこの作品がSFである事を主張していたものの、全体を通すといわゆるSFマインドは希薄。宇宙速度での戦闘もなければ特殊相対性理論も超ひも理論も出てこない。
しかし、この作品が(たぶん)シリーズ本番の第一次惑星動乱へ直接繋がっていく事を考えると絶対欠かす事の出来ないポジションなのは間違いないかな。



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2010年01月07日

天体の回転について 感想 小林泰三


天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
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ハードSF短編集という触れ込みですが、自分の考えるハードSFはどちらかと言うと作中のガジェットに真実味を与える為に科学知識や論理を用いる作品なのに対して、本書に収録されている作品の幾つかは化学や論理そのものが主体となっていて、それらを強調する為にストーリーが付属しているという感じが強い。
延々タレ流される薀蓄に興味の無い(そういう人は最初から読まないかも)人間にとっては些かペダンティックに感じるかもしれないが、その一方でそういう作品を読む行為にある種の優越的な快感を感じるケースもあるので一概にアレとは言えない。
もちろんもっとミステリー寄りの作品もあれば、「300万」みたいな良い意味でのバカSFもありますし、ひたすら露悪的な作品もある。むしろ1冊通してみると露悪的な要素が一番強いかも知れない。


個人的に読んでいて楽しかったのは「あの日」でしょぅか。もの凄く判り易い形で所謂SF界(書き手も読み手も含めた)の現状を皮肉っている。というか喧嘩売ってる。作中の不必要なまでの懇切丁寧さは極めて露悪的。
「あの日」を読んで何馬鹿馬鹿しい事書いてるんだろうと感じるとしたら、全くの鈍感かあるいは反感を覚えたかのいずれだろうなあ。
「性交体験者」もそうだけど、作品にそっと(いやむしろ露骨に)悪意を忍ばせているところにこそこの作者の真髄があると見たがどうか。



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2009年12月16日

首相専用機を追え!―蝶紋島極秘指令 感想 大石英司

首相専用機を追え!―蝶紋島極秘指令 (C・NOVELS)
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航空機事故、タイムスリップ、無人島、サバイバル、そしてサイレント・コア。
大石英司先生の作品を読み続けてきた人間ならピンと来るこの組み合わせ、つまり「神はサイコロを振らない」と「ぼくらはみんな、ここにいる」を組み合わせて、それをサイレントコア風味で味付けしましたと言う変わり種な逸品。
与太SF路線でサイレントコアが登場する作品と言うと、おそらく「深海の悪魔」以来ではないでしょうか。

東シナ海の地図に無い無人島、蝶紋島近傍の空域で行方不明になった首相専用機と総理を追って、蝶紋島に降下した田口と比嘉の二人。時を同じくして蝶紋島に漂着した中国海軍の潜水艦乗組員。
果たして無事総理の身柄を確保出来るのか…と書くといつものサイレント・コアシリーズとたいして違わないんですけどね。
しかし島に降りてからが与太SF路線の真骨頂。田口達や中国海軍乗組員達が次々に遭遇する不可解な超常現象、狐につままれたような状況解説、細かい理論的な整合性なんてどっかにうっちゃっといて、この謎が謎を呼ぶ不思議展開を楽しみたい。

ぶっちゃけると島は複数の時間軸が交錯する不思議ワールドで、2009年と1970年代の時間軸が並行して存在していたというオチ。面白いのは1970年代時間軸の蝶紋島は米軍の射爆場になっていて、そこに防衛庁から出向してきていた若き日の音無隊長がいたという驚きの超展開。
そうか、音無さん若い頃はあんな人だったのか。今と似ても似つかない姿に全力でふいた。


この物語当時では神経質な官僚肌の音無さんがどうやってあんな嫌な人になってしまったのかも気になるところですが、主題になっている総理もまたすんばらしい。台詞がいちいちあの人のダミ声+べらんめえ口調で脳内再生されてしまって笑いをこらえるのに苦労した。漢字読めないけど銃の扱いはプロ以上で(なんせオリンピック代表ですから)、攻撃してくる中国兵を軽く狙撃してしまう姿に痺れた。
総理大臣としてはともかくも人間としては非常に味のある描かれ方をしていて、それだけに最後のシーンには泣けたなあ。


時事ネタ要素が強く、賞味期限は今年いっぱいと言う感じはありますけど、面白かった。久々に大石先生らしいフリーダムさがはじけていた作品でした。



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2009年10月19日

リングワールドの玉座 感想 ラリイ・ニーヴン



スタートは良かったのに…という作品の典型例。
リングワールドふたたびに登場した機械種族の女性、ヴァラヴァージリンを主人公にして、リングワールドで暮らす他の種族と共に吸血鬼退治に向かうという、外伝的な展開でスタートした本書。
SF路線と言うよりはファンタジーに近い展開ながらも、リングワールドで生まれ育った人たちの姿を内部の視点から見れると言う事で期待して読み進めていたとですよ。

したら、いきなりルイスの話に飛んで、ハインドモーストは変な踊りを踊って、ハミイーは隠居して?息子が出て来て、なんぞこれ状態。
終盤は地球やクジン星の艦隊がリングワールドに侵略してきたり、プロテクターが多数存在するインフレ状態になったりしてまとまりの悪いまま終了。
作者が描きたいものは理解しなくも無いのですが、幾つかの独立プロットを無理矢理1つに纏めたという感じで非常に構成が宜しくないです。

なんでも元々吸血鬼アンソロジー本の為に書いた中篇(序盤のヴァラが主人公の話)を元に、あれこれと付け足して長編に仕立て上げたとかで、その時点で失敗フラグが立っていた気がしなくも無いです。
むしろヴァラたちの大冒険に特化して加筆した方が素直に楽しめたと思えてならない。


リングワールドは壮大な世界だけに、ルイス達とは別の視点で描き出せる余地が相当あると思うのですよ。
それこそクトゥルフ神話みたいに基本ルールを決めた上で複数作家で描いても描き足りないくらいに。それだけに、ルイスやハインドモーストの登場は逆に世界観の広がりを阻害した感もあり、ちよっと残念な印象ばかりが残りました。

ま…こう言う事もあるさ。


リングワールドの玉座―ノウンスペース・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)リングワールドの玉座―ノウンスペース・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)
Larry Niven

by G-Tools




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2009年09月19日

エンデュミオンエンデュミオン 感想 平谷美樹

エンデュミオンエンデュミオン (ハルキ・ノベルス)
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神と呼ばれる存在と、人間(厳密には科学文明か)との相克を描いたSF大作。
なんだと思うんだけど、正直あまりSFらしさは感じません。

その最大の理由が物語の舞台となる21世紀前半世界の描写で、月面での資源開発が始まったり、ブースター無しで大気圏を離脱可能なスペースプレーンが実用化されていたりはするものの、その他の部分では現代とほとんど変わらない。
そういう意味で所謂SF小説ではなく、ハリウッド映画的な何かの方を強く感じざるをえない。
もっとも、その辺に関しては、物語がほとんどアメリカの地方都市を中心にして進むし、大統領が陰謀を巡らせたり、第二次世界大戦終結直後からアメリカの暗部を司っているある存在が登場したりと言った部分の影響もあると思います。
陰謀論はハリウッド映画には欠かせれない要素ですし。

と、こんな事を書くとアメリカ映画的なライトなノリの作品かと思われそうですが、決してそういう訳ではなく。
ユング辺りを引用して科学の及ばない存在に言及しつつも、衒学的に陥らないギリギリのライン上で踏みとどまっているという感じです。
この辺は賛否両論ありそうですけど、個人的にはアリだと思う。
作者の思索を書く本ではなく、小説と銘打っている以上まずは小説としてのリーダビリティを最優先するのは当然の事で、神や集合無意識に対する作者なりの考察はその次でいいです。そのバランス感覚を見失って、なんだかよくわからない代物になってしまっている作品も過去に幾つか見てきただけに…。
ノベルスで400P、文庫で言えば500P程度の大作だけに、まずは物語として面白くないとテンションが維持できませんからね。

個人的にはテーマにやや食い足らなさを感じたけど、この作家さんは本作品と同じテーマの作品を複数発表されているので、それらを読む事で相互補完が出来るのかもしれません。
その辺りについてはまた他の作品を読んだ機会に触れる事にしたいと思います。



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2009年09月02日

仮装巡洋艦バシリスク 感想 谷甲州

仮装巡洋艦バシリスク (ハヤカワ文庫 JA (200))



航空宇宙軍史シリーズ実質上の第1巻。といっても時系列は作品によってバラバラに書かれているので、必ずしもこの巻から読む必要はないと思います。亜光速航行が実用化された世界では、人間が感じる時間の概念なんて我々が今生活している現代に比べると随分曖昧なものになってはいますし。


第1作目の『星空のフロンティア』や、戦闘艦ヴァルキリーとそれに関わる人たちの姿を描く2編は、人類の生活圏の拡大とそれに伴う内乱の発生を描いた作品で、所謂典型的なハードSFの世界となっています。
衒学的な専門用語が飛び交うので、そうした用語の嵐に浸ることで陶酔できる人、或いは用語は概念的な部部の理解に留めて物語の筋を追える人じゃないとちよっときついかもしれない。

そういう意味では良くも悪くも「SFを殺したSF」である事は否めないが、しかし単なるひけらかしの世界で終わらないのがこの谷甲州という人の凄さです。
一見ベタベタの理系作品かと思わせても、物語の中心には常に人がいて、人の意志の力でもって作品を展開させている。理系の外骨格を纏いながらも芯の部分には文系めいた要素もしっかりと息づいていて、だからちゃんと読めば脳の構造関係無しに味わえる稀有な作風ではないかと思ってみたり。
表題作の「仮装巡洋艦バシリスク」に至っては、もしかすると何らかの論理的な説明が付く続編が存在するのかもしれませんけど、仮にそうだとしてもこの作品内で描かれた不可思議な精神世界?と、極限状況における人間の強固な意志の姿を何ら損なうものではありません。
なんとも狐につままれたような読後感ではありますが、その不条理感がまた宇宙という未知の世界と化学反応を起こして名状しがたい味わいを演出しています。



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2009年07月09日

深海のYrr 〈下〉感想

深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)
北川 和代
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1冊500ページオーバーで全3巻の大作もいよいよこれで完結。
yrrと人類との戦いの行方やいかに…とか思ったら。


フランクさん神がかり。

まさかこんな月並みな精神論的な終わり方になるとは、ちょっと意外。
つまるところ、「アメリカの正義うぜえ」「キリスト教うぜえ」「ドイツすげえ」の3本が揃った嫌米流小説だったとはおじさん予想外だよ!
yrrと人類という相容れない二つの生命体の相克に関しても、いつの間にかファーストコンタクトものにテーマがずれてしまっているし、なんだかなあ。yrrのトンデモ解説にかなりのページ数を割いているんですけど、正直この終わり方なら別にyrrが単細胞生命だろうと宇宙人だろうと恐竜帝国だろうとなんでもいいんじゃないかと思えてしまう。だって、海を汚しちゃ駄目だよ、アメリカを信じちゃ駄目だよという作品の結論に対してyrrの生物としての成り立ちはあんまり関係ないんだし。

ハリウッド映画になる事も決定済みらしいですが、作者の反米思想の部分がどうなるのかは気になります。
ハリウッドお得意の原作無視魔改造を施してアメリカマンセーに書き換えられるのか、それともマイケル・ムーアに監督をやらせるのか(笑)。
この作品に登場する大統領以は露骨にブッシュをモデルにしている臭いので、ブッシュ時代の総括を兼ねて原作のままにしておくという手も考えられるな…。


ラストが安易なのはいただけませんが、そこに至る経緯そのものは海洋冒険小説らしいドキドキ感があって結構楽しめました。



深海のyrr(上)感想
深海のyrr(中)感想


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2009年06月27日

稲妻6 感想 坂本康宏

稲妻6
坂本 康宏
4198626464



人生に絶望し、自ら死を選んだ男が巻き込まれた数奇な運命。

所謂マスコミ用語で"負け組"と呼ばれる類の人物を主人公に据えて熱い物語を展開させるのは、過去作品である歩兵型戦闘車両OO逆境戦隊×に通じるものがあります。
しかし本作品の場合は、主人公尚人に対しては、変身ヒーローであると同時にモンスターでもあるという悲劇性の高い宿命を課し、これまでの作品に比べると全体的にシリアスで重い雰囲気が漂っているのが特徴。
自分の中に潜む怪物をなんとか飼い慣らす事でヒーローと怪物との間の際どいバランスをとっているだけに、全体的に押し殺した様な筆致で描かれているのも作品にマッチしています。


大筋は昭和の仮面ライダーを意識しているのだと思いますが、(表紙のイラスト的にはハカイダーに似てなくも無い。アメリカンバイクで最終決戦に向かう姿とか、雨宮ハカイダーをイメージしてしまうなあ)モンスター化する原因が寄生虫だったり、ある島の出身者だけがその寄生虫を持っていたりと言った設定は最近の某ひぐらしを連想させるものも無きにしろあらず。
また、寄生虫が原因で変身し、腕には刃が生えているところなどバオー来訪者を髣髴とさせるものも。
実際のところその辺影響があったのか無かったのかはよく判りませんけど、SF的にはこうした元ネタ探しも楽しみの一つだったりする訳です。


ところで作品の舞台は例の如く愛媛県内なのですが、今回の作品は過去に無く地域色が強くて、他県の人には少しわかりづらいものがあるのではなかろうかと心配しています。
三番町とか余土とかそのまんま書かれても松山人にしかわからないだろう…。
逆に言えば、松山人は地名と移動時間を追うだけで、尚人がどの変に住んでいるのかとか何となく判ってしまうのが厄い。郷土愛に溢れた作品といえなくもないですが、果たして。


なにぶん寡作な作家さんだけにまだ4タイトルしか発表されておらず、作品としてやや荒削りな部分もありますが、タイトルを重ねていくに従って読ませ方が上手になっていくのが感じられます。
次の作品が読めるのは何年後か…楽しみに待つ事にします。



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2009年06月24日

遠すぎた星 老人と宇宙2 感想 J・スコルジー

タイトルに偽りあり!
いや、有名映画のタイトルをもじっているのは判るけどさ。

1巻の、老人が人工の肉体でもって若返ってエイリアンたちと戦う話から一転、2巻はCDFを裏切ったある男のクローンから再生された一人の兵士の物語になっています。よって老人とか関係なし。
1巻の主人公であるペリー達は老人だった訳ですけど、2巻の主人公ジェレドは死者のDNAを基にして大人の姿で再生された生後1年未満の、謂わば子供。両極端な存在であるという点については共通しているかな。


色々と世界観が明かされていくのも2巻の大きな楽しみの一つ。
銀河系におけるCDFは他の知的生命による同盟関係の前ではかなり弱小勢力らしく、それ故に敵に対しても味方に対してもえげつない策謀を巡らせて自分達のポジションを守っている事、理由は不明ながらもあえて孤立路線を貫いていることなど。

更にこれまで凶悪な敵として描かれてきたエイリアン達も、姿や生態はともかく精神面では案外地球人のそれと大きな隔たりが無い連中がそれなりに存在する事が描かれます。
ララエイ族の科学者カイネンとか、その北欧染みた名前だけでなく言動も地球人とほとんど変わらない。食癖はアレだけど。
ラストの流れからして3巻ではCDFも他のエイリアンと同盟を結ぶみたいですが、一体どんな連中と組むのか楽しみではあります。

個人的には1巻のノリの方が好きですが、SFらしさという面では2巻が上かな。


ところで宇宙空間で生活できるように改造された人類って、思いっきりマン・アフターマンの宇宙人間ですよね?
本人たちはガメラにあやかってガメランと自らを称していますが…。


老人と宇宙 感想

遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)
前嶋重機 内田昌之
4150116687



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