神曲奏界ポリフォニカ メモワーズ・ブラック (GA文庫 (お-02-10)) 大迫 純一 BUNBUN ソフトバンククリエイティブ 2008-02-15 売り上げランキング : 12874 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これまでにも何度か本編にてその存在に触れられていた"シェリカ"。
メモワーズ・ブラックでは、そんなシェリカとマティアの出会いが語られます。
もともとはキネティック版に収録されていた2編のうちの1つですが、かなりの修正加筆が加えられてボリュームも結構あります。
また、キネティック版のシナリオを執筆したのはサイレント・ブラックの直後。
そのキネティック版がベースの本作は・・・黒ポリ初期の倒叙ミステリーテイストが強く、伏線が複雑にこんがらがって来ている最近の作品に比べると素直に楽しめました。
何と言うか、色々背負った犯罪者もいいですけど、今回のヤグニみたいな小物丸出しの悪人を見ると、色々な意味でホッと出来るんですよw
追い込まれると、明らかに台詞の端々にボロが出てくるし、かわいいなあ、もう。(おい)
あと、初対面の筈のシェリカといきなり一緒に入浴とか、いつになく積極的なマティアが素敵。
このイレギュラーな積極性も、多分何らかの伏線なんだと思うけど、そんな事は一端置いておいて、明るいマティアに萌えませう。
巻頭カラーPでいきなり肌色ワールドだし、サービスにも余念がないですね(笑)。
本作品は単にキネティック版を多少弄って本にしましたというものではなく、ポリ黒シリーズ終盤のキーキャラクターとして、シェリカを本編に投入するという意図があって、そのために必要なエピソードという立ち位置。レオンが主役の外伝とはまた違う、黒ポリ6.5巻とでも言うポジションです。
よって、若干ながらシリーズを意識した伏線が追加されている模様ではありますが、気にしなければ気にならないという程度のもの。
久々にシンプルなミステリーとして楽しむ方が健全かも。