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結論から言いますと、期待を裏切らぬ面白さでした。
この際なんで白状します。
山田風太郎の忍者活劇モノと言うと、10代の頃深夜にテレビで見たくの一忍法帖のイメージを引きずっていました。火炎乳とか、筒枯らしとか、そういうおバカなギャグだとずっと思ってました。
だから、敢えて原作小説には手が伸びなかった訳です。
ですが、最近アニメ版を何話か見て「これはもしかしなくても面白いんじゃないか?」と思い、ようやく原作を手に取る事に。
忍術が既に超能力や魔術の域に到達していたり、忍者が人類の範疇を逸脱している気がしなくもないですが、逆にその荒唐無稽さが心地良い。
読者を楽しませる為には悪魔に魂を売ることすら躊躇しないのかと思わせる突き抜けぶりに圧倒されました。
初出から実に50年を経ていると言うのに、全く古さを感じさせません。
それどころか、チームでのバトルや、属性や相性のある忍術など、現代のバトル漫画の基本形が既に完成してるのには唸らされます。
そして、予想外のクライマックス。
戦いの始まりも予想外の不意打ちからでしたが、ラストもまた予想外のものでした。
キワモノと思わせて、この重い締め方は・・・卑怯。
でも、余韻があって良い。
時間を忘れて読み耽る事が出来る作品でした。
これはアニメ版も(漫画版も)しっかり見なきゃ駄目ですね。
ラベル:書評
甲賀忍法帖ぼくも先々月に読みました。
怪しくも悲しい忍者集団の戦いは圧巻でしたね。
>そして、予想外のクライマックス。
秘密を二人で共有したまま終わりを迎えるのは
忍者らしい最期でよかったです。
最近ますます時代物に傾倒していくだいすでした。
ではでは
コメント返し遅くなってすみません。
この作品、アニメや映画や漫画にもなる理由が良く判ります。
やっぱり名作ですよね〜。
>秘密を二人で共有したまま終わりを迎えるのは
忍者らしい最期でよかったです。
終盤ちょっと慌しい感じもありましたが、締め方に美学を感じられたので全てが許せてしまう感じです。
忍術バトルと思わせて、「情報」がいかに大事かを描いている辺り、作者の洞察力の鋭さをうかがわせます。
えー、あとブログ移転しましたので、移転先もよろしくです。
http://blog.livedoor.jp/kv85/