2008年03月25日

火星の土方歳三 吉岡平

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吉岡 平

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火星シリーズを読んでない身の上で、そのオマージュをどうこう言うのも相当アレな行為とは知りつつも、「火星の土方歳三」です。

古典SFの名作をベースに、何故か新撰組の土方を火星に登場させてしまおうという無茶な内容。
ここ10年以上吉岡平氏の作品とは疎遠になっていた(理由に関しては言わずもがなw)訳ですが、これは久々に面白かった。

函館で凶弾に斃れた土方歳三の魂が、戦いの場を求めて転生したのが火星。
地球とはまるで違う生物たちが徘徊し、数多くの種族間で戦乱が絶えないこの火星世界で、剣のみを頼りに道を切り開いてゆく土方。

緑色人の襲撃。

闘技場での戦い。

奴隷生活。

女だけの国・・・。

冒険に次ぐ冒険の展開は、若い読者の人だと子供っぽいと感じるかも知れませんが、そこからもう一枚脱皮した世代の人なら童心に帰って楽しめるかも知れません。

土方の性格付けも、ドラマや映画の様に脚色されたものではなく、ともすれば俺様マンセーとさえ思える所があって、これはこれで人間味を感じます。


ただ、読んでいて気になったのは、基本的に土方の一人称視点で描かれるのですけど、中盤以降はあきらかに土方が生きていた当時には存在しない言葉が随所に使われているんですよね。
おいおい、これは興醒めだなあ・・・。


と。

思ったら。


最後のオチで全て納得。
凡ミスかと思ったら、全て計算づくだった訳です。
まるで連作短編の様に冒険に次ぐ冒険という物語形式なのも、このオチを踏まえて、本作は土方の回顧録だと思えばすんなりと納得できます。
一本取られた気分ですね。
正直、タイラー以降は終わった作家だと思っていましたけど、なんのなんの、油断は出来ませんね。


なお、続巻には秋山真之(僕の郷土の英雄ですね)が火星に転生し、艦隊を率いる「金星のZ旗」と言うのがあるそうです。
読みたいかも・・・w
ラベル:書評
posted by 黒猫 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(1) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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