2008年02月20日

あねのねちゃん 梶尾真治

あねのねちゃんあねのねちゃん
梶尾 真治

新潮社 2007-12
売り上げランキング : 109347

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





表紙の童話っぽいイラストに油断したら、実は結構黒い物語でしたw

イマジナリー・コンパニオン。
主に幼児の妄想が作り出す、本人にしか見えない脳内友達の事なんだそうですが、このイマジナリー・コンパニオンが実体化したら・・・というのが本作品のストーリー。
どうせ脳内の存在が実体化するなら、脳内の平べったい嫁が・・・とか思ってしまいますけどそれは置いておいて。
この実体化したイマジナリー・コンパニオンの「あねのね」は、作り出した本人の心の底、普段は理性や常識で覆い隠している嫉み恨み憎しみといった負の感情部分を強く司っている感じです。
ですから、当人が●●に復讐したいと思っていると、本当にあねのねがやっちゃうんですね。
ある程度自分の意思を持ったスタンドみたいなものでしょうか。

ただ、終盤であねのね誕生の秘密が全て明かされるのに関しては、賛否両論かも知れません。
終盤、もう一人のあねのねと戦う事になるので、その前にあねのねとは何ぞやと言う部分をきちんと整理したと言うのは理解できるんですが。


いわゆるワンアイデア作品なので、さほど複雑な謎解きなどはありません。メインは、あねのねと言う厄介な超能力?を手にしてしまった女性の葛藤劇です。
それはそれで結構なことですけど、一つ不満を挙げるとすると、優等生的に全てがきっちりとまとまってしまっている事でしょうか。起承転結に忠実すぎると言っても構いませんね。もう少し羽目を外した部分があっても良かったんじゃ無いでしょうか。

ただ、この手のジャンルは得てしてラストには一抹の不安要素を残すがパターンですが、最後に全てを奇麗に清算してハッピーエンドにしたのは評価したいです。



ラベル:書評
posted by 黒猫 at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。