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4巻は、これまでのライバル商人と知恵の限り(と、人外の超常的パワー)を尽くした頭脳戦とは一味違う、政治的な駆け引きのお話でした。
たまにはこういうのもいいかな・・・?
で、ホロとロレンスの馴れ合いに関しても今回はやや薄味。この点に関しては人によって意見が分かれそうなので、敢えて触れないことにしますが、個人的にはようやくファンタジーらしさが出てきた事が嬉しかったですね。
いや、ホロ自体がファンタジーですし、前の巻に登場したあの人?もファンタジーなんですけど、そういった存在・・・異教の神と呼ばれる存在に関してもう一歩踏み込んだかな、と。
月を狩る熊とか、文面だけだとゴジラ以上の化け物っぽいけど、そんな風呂敷広げて大丈夫なのか?とか、ワクワクしながらツッコミを入れてしまいます。
その一方で、気になるのはこの物語がどういう形で終わるのかと言う事ですか。
ホロの故郷を捜すという目的はあるものの、明らかに二人とも、そして作者自身その目的からは目を背ける方向に進んでいます。ぶっちゃけると、続けようと思えばいくらでも続けられる形態の話だけに、奇麗な引き際という部分を見失うと怖いんですよね。
故郷に帰ったけど、何もなかったのでそのまま旅続行とかでは芸が無いですし、広げてしまった熊の件もありますし、作者の真価が問われるのはまさにこれからなんでしょうね。
言い意味で期待を裏切ってくれるのを希望。