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クロエの放った銃弾に倒れた霧香。
幸いというか、クロエには霧香の命を奪う意志は無かったので、たいして傷も負ってはいませんでした。しかしクロエの本当の目的は、霧香にとっては辛く苦しい記憶の蓋を開ける事で――。
えー。
なんだか困った事件の直後なんで、弾が飛び交う系アニメを扱うのは憚られる物があります。
実際、敢えて直截的にバイオレンシーな表現は避けて書く様心がけていますが、どうしても弾が飛び交う以上ある程度殺伐とした部分はある訳で。
余談ですが、ある漫画の8,9巻は漫画史上最多の弾が飛び交いますが、敢えてグロな描写はもちろん、血がでる描写すら入れずに、それでいて迫力の硝煙系活劇を描ききった伝説の名エピソードです。僕個人の主観での話ですが。
このノワールも直截的に血の描写はありませんが、それが物語性を損ねてはいないので、あんまり流血ドッバドバなアニメは少し自重しるとも思う今日この頃。
特にアヤ○シとか、スプラッターすぎ。
さて、今回は今まで封印されていた霧香の記憶と、それを取り戻した事で愕然とする霧香の心理面中心の話ですから、感想に纏めるとたいした分量にはなりません。
という訳で、ちよっと脱線してみます。
えー、ガンスリに対する僕の複雑な思いに関して、ある方にノワールも似たような感じじゃねと指摘されましたので、僕なりの印象を述べます。
まず、僕はガンスリと言う作品は嫌いではありませんが、小さな子供に大きな暴力を持たせる設定は正直、好きではありません。
トリエラ位の年齢で、ある程度自我を持っているキャラクターならそこまでは思わないのですが(ちなみにトリvsピノ編があの漫画の絶頂期だったと未だに思っています)、リコとかは見るのが辛いですね。まるでクメールルージュの少年兵みたいに、自分の行為の意味がよく判ってないし、判るだけの自我も無さそうですから。彼女を見るのは痛いので意識的にスルーしており、ガリルぶっ放しているシーンとMG3ぶっ放しシーンしか記憶に残っておりません。
で、ノワールの場合ですと、霧香さんの子供時代がまさにそんな感じかもしれません。
ソルダで暗殺者として純粋培養され、ミレイユの家族を粛清する尖兵として使われた訳ですから。
ただ、霧香さんはミレイユとの係わり合いの中で、人間らしい心を多少は取り戻しつつありますし、現在の彼女には自分の運命と戦う自由があります。たとえアルテナの描いた筋書きの上だったとしても。
少なくとも、自我らしい自我もなく、褒めてもらうためだけに引き金を引いている境遇よりは幸せなんではないでしょうか。
その点こそが、この二つの作品最大の相違点だと思っております。
・・・まあ、ノワールも初めて見た時にはちょっと苦手だな・・・と思ったんですがね。続けて見て行くうちに、自分自身の過去や運命と戦うという部分が理解できたので、これはアリだなあ、と。
もしクロエみたいに完全に「ズレた」人ばっかりだったら辛いですが(汗)。
あ、ちなみにガンスリもそのうち感想書くと思いますよ。
と、脱線しているうちにネタバレしちゃいましたが、霧香の封じられた記憶とは、子供の頃ソルダの刺客としてミレイユの家族を手にかけた事でした。
しかし霧香という名前で過ごした期間は、そんな自分の行為が取り返しの付かない事だと感じられるだけの感情を得るには充分な時間だったようで、激しい悔恨の念から霧香はミレイユに自分を撃てと。
一方のミレイユさんは事態が事態だからでしょうか、物凄く冷え冷えとした表情です。
でも内心に葛藤はあったのでしょうね。霧香を撃たなかったものの、かと言って見捨てたと言うのともちょっと違う様な。自分の感情を整理したかったのかも知れません。
今はそのまま立ち去った彼女ですが、次に登場したときは果たして。
復讐を果たすか、それとも・・・。