2007年12月16日

紐と十字架 イアン・ランキン

紐と十字架 (ハヤカワミステリ文庫)紐と十字架 (ハヤカワミステリ文庫)
イアン ランキン Ian Rankin 延原 泰子

早川書房 2005-04-08
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リーバス警部シリーズの第一巻です。
以前から海外ミステリー系を主に扱うサイトやブログでよく見かけていて、機会があれば読んでみよう・・・と思っていた作品なんですが、はい、読んで正解でした。

スコットランドはエジンバラで発生した、連続少女絞殺事件。
小児性愛者による犯行かと思われたものの、遺体には暴行された形跡が無く、絞殺のみを目当てとした猟奇的犯行と断定されるが・・・。

主人公のリーバスは、もとSAS隊員だっという経歴を持つ刑事で、軍隊時代の様々な記憶や離婚などを通して、人間がこれでもかという位に屈折しています。
厭世的で鬱属性、人付き合いを面倒がり、刑事の癖に朝食のパンを万引きしたりするこの上なく斬新な人物造形。
アメリカの警察小説ではまずお目にかかれないタイプで、さすがは皮肉好きなイギリス人と言った所でしょうか。

そんな彼が鬱々と事件の捜査を進めるうちに、事件は恐ろしいほど狭い人間関係の中に収斂されていき、自らの過去と対峙する事になります。
いやあ、面白かった。特に中盤で軍隊時代のリーバスが描かれてからは、前半でばら撒かれた謎のピースが面白いように繋がって怒涛の展開となります。
謎自体は、言葉遊び(もちろん英語の)的な物がメインなので、日本人でこれを理解できる人はそういないと思いますけど、そんな事さえこの超展開の前では些細な事です。
終わり方がちょっと唐突でしたが、最後のシーンでリーバスを救ったのが誰かというのは敢えてはっきりと書かずに〆る辺り、憎い演出です。

作者はまだ40代で、この1作目を執筆した当時は20代半ばだったそうですが、若いのによくこんな屈折した主人公が描けたものだと変な所で感心(笑)。
もちろん、続刊も読みますよ。


posted by 黒猫 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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