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毎度お馴染み?スペンサーシリーズ。
もともと1話完結系で、巻をまたぐ長編は存在しないシリーズと言う事もあって、当ブログでは割とランダムに取り上げているんですが、これは本来の順番だと2巻目に当たります。
スペンサーの恋人スーザンが初登場となる巻でもありますね。
仕事一途な父親と、奔放すぎる母親の元から姿を消した少年。
最初は単なる家出かと思われたが、やがて家に脅迫状が届くに至って・・・。
という、わりと刑事ドラマでもありがちな展開。
もともとこのシリーズに、謎解き要素を期待してはいけないので、ありがち云々についてはこれ以上突っ込む気はありません。
一応事態は二転三転しますが、中盤でもしかして・・・と思ったら、そのまんまのオチだったとだけ言っておきます。まあ、変に捻っていないぶん現実味はありますが。
やっぱりメインは事件よりも、スーザンとの出会いなんですかね。
後の巻を見る限り、すっかり尻に敷かれているスペンサーですが、初登場した頃のスーザンは(以下略)。まあ、それもまた、よくある話って事で。
この当時のスペンサーは、まだマッチョズム旺盛だっただけに、近年の様な状況になるとは、作者自身想像していなかった様な気がします。
あ、そうそう、スペンサー得意の、女性に手料理を振舞う行為は2巻目から始まっていたんですね。
豚肉のアン・クルート(パイ包み焼き)にカンバーランドソースって意外な組み合わせがなんとも面白いです。鴨肉とか合いますが、豚肉にはどうなんだろう。
何でも作中では柑橘ではなく林檎を使っている辺りがポイントなのかも知れませんがね。
・・・なんて書いていたら、お腹空いてきた(笑)。
何でもこの当時、作者はチャンドラーを意識しまくって創作活動に励んでいたらしいのですが、料理が得意な探偵って言うのも新機軸すぎて、一体どこがチャンドラーなのよという気がしなくも無いです。やっぱり探偵なら男らしく、出がらしのコーヒーとアジサンドみたいな微妙な料理じゃ無いとね(笑)。
ラベル:書評