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久しぶりの悪魔のミカタです。
第2シーズンも順調に巻を重ねている模様で、果たして俺追いつけるの?と、時々心中に敗北主義の風が吹き荒れる昨今。あまり沢山のシリーズものに手を出すと、色々な意味で危険だと思い知った十五の夜。
で、感想。
3巻からその気配が強くなってきていましたが、初期の巻にあったミステリー的な要素は、4巻目にしてほぼ無くなってしまいました。と言っても、それは厳密な意味でのミステリー要素が無くなったというだけで、相手の持つ「知恵の実」の能力とその限界を、発生した事象の中推理し、対抗策を練るという意味での謎解き要素は健在です。
僕個人は、この展開はジョジョにおけるスタンド使いとの対決が一番雰囲気的に近いと思っている訳ですけれども。
今回の「知恵の実」はパーフェクト・ワールドと言う、ループする閉じた世界に相手を閉じ込めてしまうというもの。この世界の中でコウがそりゃあもう凄い事になっちゃう(血塗れ系)んですけど、ここは二つの要素を意図的に組み合わせて事態を複雑に見せようとしてるだけ。
むしろコウの言うとおり、今回の知恵の実使いに関しては
「ウサギさん、お前は実につまらなかった」
の一語に尽きるかも知れません。少なくとも能力を使った心理戦の様な展開は無かったし。
では、今回の見所は何かと言うと、「あらゆる生理的な現象において容赦なく素直なコウ」に尽きるでしょう。
それは魔のアトラクション「螺旋空間ドラゴンスクリュー」における顛末はもちろん、舞原姉妹に対する問答無用のフラグと言い、何処までも容赦の無い男、それがコウ。
まあドラゴンスクリューに関してはコウではなく、係員の容赦なき熱さが光っていた訳ですけど。
と、そんな感じで破天荒な展開をやっておいて、その直後に、キスの際に血の味を感じなくなった事に愕然とし、焦燥感を募らせるシーンを持ってきてみたりと、何気に重要な伏線を埋設したりする。奔放な様でいて、締める時にはとことん締める、しかもそれは計算ずくではなく、何処までも天然でやっている気配濃厚なのがすごい。
やっぱりこの作者の人は只者ではありませんね。
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