2007年09月11日

地球の長い午後 ブライアン W.オールディス

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地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)
ブライアン W.オールディス 伊藤 典夫

早川書房 1977-01
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遥かな遠未来。地球は大規模な地殻変動により自転が止まり、常に太陽に同じ面だけを向けて回る様になっていた。また、太陽も寿命を迎えつつあり、強烈な日差しと放射線は、地球の昼の面に巨大な植物の世界を生み出していた。
かろうじて生き延びていた人類には既に文明も科学もなく、巨大な植物世界の食物連鎖の環の中で原始生活を営む小さな存在になっていた・・・。


圧倒。ひたすら圧倒。
この作品、物語としては、なまじ知能が高い為に反抗的で我の強い少年グレンが仲間とはぐれ、危険と驚きに満ちた世界を旅する中で、色々な出会いや別れを経験して成長してゆくという、いわゆる成長もので、プロット自体はそれ程斬新な物でも捻った物でも無いです。
しかし特筆すべきは舞台となる永遠に続く昼の世界。天に届くほどの巨大なジャングル、そこに住む数々の捕食性植物、そして月と地球の間に蔓を張り巡らせ、2つの天体間を行き来する全長1.6キロにも及ぶ蜘蛛型植物ツナワタリ・・・生物の大半が死に絶えた地球では、植物達がそのニッチを生めるように奇妙奇天烈な進化を遂げ、あるものはかつての生物以上の存在にまで進化しいてます。判り易いイメージとしてはナウシカの腐海。蟲の代わりに、蟲並に強大な捕食植物が繁栄していると理解してください。

ちなみに人類もそうした環境に併せて、かつての地球の覇者ではなく、一被捕食者になってしまっていのがある意味衝撃的。
仲間が植物に食われても、下手に助けようとするとより被害が大きくなると判断すると、あっさりと見捨てます。
「なるようになった」と言う一言で。
この部分は旅の途中で比較的安全な地域に暮らす人々や、知性を持つキノコとの共生を経て少しずつ変化していきますが、冒頭でそういうシーンを見せ付けられた衝撃は最期まで後を引きました。生存競争恐るべし。


・・・とまあ、僕は「アフターマン」や「マン・アフターマン」、「フューチャー・イズ・ワイルド」を読んでワクワク出来るタイプの人間ですから、この世界観には虜になりました。本編が300ページ程とちよっと短めなのが残念だったくらいです。
え?厳密な科学考証?そんなの関係ねぇ!
ちなみにややマイナーな漫画に「暁星記」という作品がありますが、本作へのリスペクトに満ちていますので、機会があれば読んでいただけると、より本作が楽しめると思います。特にヴィジュアル的な面で。
とにかくこの世界観、是非体験して欲しいですね。




アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界ドゥーガル・ディクソン 今泉 吉典

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フューチャー・イズ・ワイルド 新恐竜 フューチャー・イズ・ワイルド完全図解ーーThe WILD WORLD of the FUTURE 鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー) ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

タグ:書評
posted by 黒猫 at 17:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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