2007年08月21日

バッカーノ! 成田良悟

バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)
成田 良悟

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一言で言うと物凄く勢いのある作品だな、と。
しかも、勢いだけでなく構成も見事で、複数主人公により視点の移動が激しいはずなのに、読んでいてそれ程ストレスを感じさせないのが素晴らしい。

そもそも何故今更・・・と言うと、まあ予想通りと言うか、アニメを見て「何だかよくわからないけど面白そうな雰囲気だけは感じた」というのが読んでみた動機。
ストーリーを確認する為というよりは、物語の基本的な設定を知りたかったからです。
なので、もしもアニメが1巻のストーリーをトレースしている物だったなら、基本設定が理解できた時点で一度読むのを中断するつもりでしたが、幸いいーじすさんに教えていただいた通り、アニメは何巻分かのストーリーをミックスして再構築したものですから、これなら最期まで読んでも問題ないなと。まあ、そんな小難しい事考える以前に勢いに任せて読了してしまっていた訳ですが(笑)。

何と言っても、アニメでもなかなかいい味を出しているアイザックとミリアが、原作では更に素敵なオーラを放っているのが実に良い。本編は割と殺伐とした雰囲気なんですが、こいつらが出てくるとそれだけで文字通り「バカ騒ぎ」になってしまうと言うか。まさにジョーカーですね。
なお、アニメのOPに出てくる大量のチョコレートの意味もわかりました。

・・・と、褒めてばかりですが、特に欠点が見当たらないんですよね。強いて言うと展開がご都合主義と言うか、予定調和すぎる気もしますけど、それを特に不満に感じさせない勢いがあるので、あのクライマックスですらあっさり納得してしまってる自分がいる。良い意味でB級。
ハリウッドの痛快アクション映画の様な爽快感が全てですが、むしろ、それで何か問題ある?みたいな。そんな感じ。


作者の成田氏はこれがデビュー作と言う事ですが、レベルが高いですね。
最近の新人の作品はこれに比べると格段にレベルが落ちている気がします。
思えばこの本が出た当時と言うと、ダディフェイスやダブルブリッドが刊行中で、ラノベの歴史を変えたブギーポップシリーズも健在だった頃・・・電撃が一番輝いていた頃なんですね。
何故この時期に、後に名作と言われる作品群が集中して現れたのかは謎ですが・・・単に今の作品の印象が薄いだけかもしれないorz
posted by 黒猫 at 22:40| Comment(2) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
積み本一杯の状態ですが・・・
「バッカノ!」面白そうですね・・・
アニメみれない状況なのですが・・・本編みてからの方がいいのかどうか迷っていまして・・・

どっちがお勧めでしょうか?

っと、あんまりたくさんコメントしすぎると黒猫さんがコメントで燃え尽きられてしまうかもしれないので、このへんで・・・
では。
Posted by セトラ at 2007年08月25日 00:50
いつも燃えつきかけてますが何か?

罪本の数なら負けない!罪プラモだって軽く3桁ありますが何かッ!!

アニメは・・・僕みたいな地方アニオタにとっては衛星は標準装備なんですが・・・。
多分ニコ動にあると思うので、是非機会があれば見てください。ただ、1巻の出来事が随所に挿入されるので、やっぱり1巻だけは先に読んでおいたほうが確実に楽しめますね。
それ以上読むと、もしかしたら素直に楽しめなくなるかも知れません。原作の過ぎた知識はアニメの敵ですから。

そうそう、ようやくダディフェイスに手をつけましたよ。
Posted by 黒猫 at 2007年08月25日 21:25
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