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大好評ハートフルニートストーリーの第2巻。
すいません嘘です。
なんつーか、1巻よりも痛さが増した感じで、そりゃまあニートだ無職だという人種を主人公に据えるととっても痛い話になるのは火を見るよりも明らかな事で、今更痛いも糞もなかろうというもっともなセルフ突っ込みに納得せざるをえない黒猫ですこんばんはもしくはこんにちはもしくはグーテンターク。
冒頭の餓死寸前クルナ&ルーファには笑った。
いや、ここまで困窮しても敢えて働こうとはしない度胸はたいしたものだけど、今回明らかになった、クルナの実家は相当なお金持ちという事実には、正直困惑した。
彼が何かに反発して家を飛び出し、無職で怠惰で自堕落な日々を送っているのは判るんだけど、その割に実家があるヴィレニスに住んでいて、かつ弟はクルナの現住所を知っている。
つまりは完全に実家との縁を切っている訳ではないという部分が何となく引っかかったんですね。
実際今回の話で、クルナとルーファを餓死の危機から救ったのは弟が依頼した、実家絡みの事件だった訳で。
俯瞰した場合に見えてくるこの微妙な立ち位置と言うか、距離感というか、まあそんなのが、実は青シリーズの底流に流れているテーマの一部なんかいなとも思えるわけです。
さて、そんな今回の依頼ですが、精霊と駆け落ちした楽士の捜索依頼というもの。
楽士の方は交通事故の後遺症で神曲を演奏できなくなっていて、本来ならば精霊との契約は解消しなければ、神曲に飢えた精霊が大変な事になる訳ですが(その辺は、アニメ版の4話でも軽く描かれています)・・・。果たして人と精霊は神曲を与える、精霊の力を借りるというドライな関係だけなのかという部分に比較的ダイレクトに突っ込んでいるのが青の特徴。
他にも青では精霊至上主義や人類至上主義と言った思想の対立、精霊のいない土地に移住して、一から文明を築こうとした人々の移民船ブラウクローネ号と言ったものにも言及していて、多分クルナの思想というのは、上記の様などちらが上か下かとか、力を借りる借りないという関係の否定なんだと思うけど、そう考えると、彼自身が困窮の果てに餓死しかけても、何でも屋とかいう自由業にこだわる理由も見えてくるような。人と精霊の契約と言う関係の否定が、労働者と経営者の労使契約の否定と言う思想にも繋がっているのかも。まあ、
それで生きていければ天国なんですがね
ともあれ、2巻ではハイディ同志がわりとおせっかい焼きなのが判明して、自分の中で更に同志に対する敬愛の念が昂ぶりました。このリビドー、どうしてくれましょうかコミッサール?
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