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セイントオクトーバーも今回で最終回です。
最終回ということでOP無しかよ・・・って、OPカットしてまで入れたのが、田舎で農家を営むカフカの姿(笑)。まあ、カフカってこのアニメにおける数少ない勝ち組キャラだよな。沈みゆく船の見分けが早い段階でついていたんだから。しかも、一足先に沈没してしまった負け組のソフィア部長を、昨今のナウなゆとり世代に大人気のクールな言葉「自己責任」なんてもので斬り捨てずに、ちゃんと弔ってお供え物までしてあげる余裕。これを勝ち組といわずしてなんと言うべきか。
・・・ま、いちおう本編ラストに向けた伏線なんだけどね。
で、ユアン君を文字通り食ったクルツですが・・・。
ユアンを取り込んだ事によって完全体となったクルツ。カードの力はもともと2つの石版を守る為に預言者によって作られたものですから、ユアンと一体化したクルツを攻撃する事はもう出来ません。
それどころか、自由に操る事すら可能になり、王様ゲームで命じられるままに同士討ちを始めるロリ達。
そこに現れたでち子、ジャッジメントにトドメを刺すのは自分だと小十乃に戦いを挑むが、前回の広域浄化によってクルツ社長による洗脳?は半分解けかかっていて頭痛に苦しむ。
それを見たクルツ達は、自分への忠誠心が揺れている者は部下として要らないと言い、エルロックもそうだったと漏らすが、それがでち子の怒りに火をつけ・・・。
なるほど、こういう形にもって行きますか。
で、肝心のクルツの方も、突然口と目から光があふれ出して苦しみだしたと思ったら、ユアン君(大人版)に取って代わられてしまいました。クルツはユアンが出てきた事に驚いていましたが、彼の思っていた様にユアンが消えていたら、ユアンの持つ力も消えていたんじゃないかな。力だけ残して存在は消える・・・と言うのは都合が良すぎると思うんだが。
で、一時的に身体を奪ったユアンは小十乃に自分をジャッジメントする様頼む。もう人間には自分の正義を見つける力があり、石版としての役目は終わった。だから、使命を終えた大きな力は裁かれるべきなのだと・・・。ああ、このアニメでこんな含蓄のある言葉が聴けるとは露ほども思ってなかった。
偏った思想をお持ちの方にはサヨク的言動に聞こえるかも知れんが、いやいや、素晴らしい言葉です。
ジャッジメント後の子供クルツとユアンのやりとりが何かジーンとした。
そうそう、あの掃除の爺さんこそが、クルツ達を作った「お父さん」こと預言者でした。
不出来な息子の悪戯が心配でリバースに潜り込んでいたんでしょうねえ。
うん、まあ一部処理しきれなかった伏線もあった気がするけど、綺麗な終わり方だったと思います。
死んだソフィア部長もエルロックも生き返ったけど、このアニメの作風なら素直に受け入れられます。
ええ、舞Himeみたいに散々鬱展開かましておいて、最期にあっさり生き返ると、何だよこれって感じですが、この作品は安易に鬱方向に流れなかったですからね。
いや、久々に後味の良いアニメでございました。
総括/
放送開始と同時に、非難ごうごうで1話で切る人が続出した作品でしたが、その独特の予想の斜め上を行く展開に何か非凡な物を感じて視聴を続けていました。
最後まで見て感じたのは、地味だけど良い作品・・・と言う事でしょうか。
中盤で鬼の鬱展開が挟まれたりもしましたが、基本路線であるゆるゆる&斜め上だけは最期までぶれなかったのは高く評価したいと思います。同様に作画も安定していたのは、近年のアニメ界においては稀有な存在かも(笑)。
ただ、一つだけ苦言を言うと、ブローバンド配信を22話で突然打ち切ったのだけは頂けません。
この手の手口って反感は買ってもセールスの伸びには繋がらないような気がしますね。
せめてもっと早い段階で打ち切りの通知をしていればよかったのですが。これがネット配信アニメの悪しき前例になりはしないかと心配です。
ラベル:セイントオクトーバー