神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック GA文庫 大迫 純一 BUNBUN ソフトバンク クリエイティブ 2007-03-14 売り上げランキング : 12174 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
うーん、キャラは文句なしにいい感じだったと思うんですよ。
物語だって、上手く二転三転していて起伏に富んでいて、それなりに面白かったのは間違いありません。
ただ、今回はちよっと焦点がぼやけていた。
キャラ萌え派の人には満点の内容かも知れませんが、個人的にストーリーの組み立てと言う面ではちよっとだけマイナス点。特に真犯人の動機が今ひとつ理解しにくいのは痛い。
もちろんそれでもかなりの高得点ですけどね。
今回初登場のレオン、過去に数多の女性神曲楽士との契約遍歴を持つナンパ精霊。今回の事件は彼の過去の契約相手が殺害された事を軸に進展します。
一見軽薄そうなレオンですが、その実過去の契約相手(恋人)の事は全て記憶しているという純粋な部分もあり、それ故に暴走してしまう事となるのですが・・・いやいやいやいや、それは良く判ったんだが、そこまで真摯な気持ちがあるなら、何で今までに3桁もの女性楽士と契約してきたんだという素朴な疑問が。
そして、何故にマティアにまでコナかけてんだと。
ばっ、なにを、ばきゃ
ま、そんな疑問こそあれど、キャラ造形としては軽薄な雰囲気に反して外見はややゴツめのマナガさん系の人(精霊)って所はなかなか読者の心情を理解してらっしゃる。しかも性格はハードボイルド系という辺り、まさにピンポイント爆撃。
おかけでどことなし好意を感じてしまうのですよ。
ちなみにこの人(精霊)、本業は探偵らしいので、今後も物語に絡んできそうですね。
ポリフォニカと言うシリーズを通して見れば、(白と黒とアニメしか知らないけど)「人と精霊」、生命としての在り方自体が違う二つの種族同士の関わりがテーマだと思われるので、その点においてはこのトライアングル・ブラックは黒シリーズ中で一番「らしい」作品だと思います。それだけに普段の刑事もの路線との噛みあわせが、ちょっとどっちつかずだったのが惜しまれてなりません。
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