2007年06月14日

わが名はオズヌ 今野敏

わが名はオズヌわが名はオズヌ
今野 敏

小学館 2003-09
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以前読んだパラレルと言う作品は、今野版ワイワイワールドみたいなもので、氏の作品の主人公キャラが作品の枠を越えて一同に会し、難事件に立ち向かうと言うものでした。
そんな「パラレル」に登場したキャラクターの一人、賀茂晶こと現代に転生した役小角が、建設業者と代議士を相手に奮闘するという、なんともエキセントリックな中二病ストーリー。

ちなみに中二病とは、主に青臭い理想を掲げる人物を差すそうですが、そういう理想に対してシニカルに斜に構えて懸命に背伸びする御仁もまた中二病である事は疑いの余地もありません。
例えるならば、変に使命感に燃える中二の学級委員と、吸えもしないタバコを口先でフカシて大人ぶる中二ドキソとでも言えば判り易いか。
僕は・・・さあどっちでしょうね(笑)


で、感想。
いやあ、折角飛鳥時代から時を越えて転生して来てくれた役小角なんですが、話のスケールは結構小さいです
小角の魂が宿る賀茂少年の通う高校周辺が、建設業者による開発地区となり、廃校の危機に陥る→怒った小角は業者と代議士の元へ直談判に赴く→効果が無いので生徒達と共に学校に立て籠もる→建設業者がチンピラを差し向けてくる→撃退→小角と生徒達の反撃開始→首相に陳情・・・という流れ。
小さい。
実に小さい。
首相まで巻き込んで展開する話なのに、争点は学校の存続という一点。流石に首相はなかなかの好人物でしたが、それでも普通一回の高校生が無理やり押しかけてきたのには面会しないでしょう。しかも怪しい術使って乗り込んでくる奴らなんかには。

・・・と、そんな感じで判り易い&ミニマムなストーリーなんですが、それだけだと百ページ程度で終わっちゃいかねないので、役小角と言う人物の謎に関して伝奇小説ぽい仮説を色々と立てて水増ししています。史実と文献を基に、許容範囲ギリギリで伝奇的解釈をしているのは結構面白いんですが、これが物語の本筋に噛み合っているかというと、殆ど噛み合っていません。
ぶっちゃけると、普通に飛鳥時代を舞台にして今野流解釈による、役小角を主人公に据えた物語にした方がずっと面白かったのではないかと思います。

今野氏の作品は結構好きなんだけど、この作品に関してはイマイチかな。
何せ空手で相手を叩きのめすシーンが無いし(笑






ラベル:書評
posted by 黒猫 at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝奇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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