![]() | 人類は衰退しました 田中 ロミオ 小学館 2007-05-24 売り上げランキング : 224 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |

こういうラノベを読みたかった
これぞ正しいラノベですようひょー
色々な意味で珍しいタイトルに惹かれたのが購入動機。
タイトルどおり人類が衰退期に入り、地球の支配権を妖精さんと呼ばれる不思議な生き物に譲った時代を舞台に、人と妖精との関係を取り持つ国連の調停官として、故郷クスノキの里に帰ってきた"わたし"の奮闘を描く物語・・・と書くと、何だかハートフルな感じがするから恐ろしい(笑)。
別にドス黒かったり殺伐としていたりはしませんけどね。でもハートフルでは無いわな。
で、この物語の主人公であるところの"わたし"ですが、
「豊かなイマジネーションとフレキシビリティーを得る事に成功したゆとり世代」にして「経験豊富で物怖じしない敏腕アダルト美女」(全て自称)。
性格は極度の人見知りで、祖父に対しては気持ちを知ってか知らずか妙な屁理屈を捏ねるのが特技。
外見は「女としての大台を超えた」身長で、やや眉毛が太い・・・女としての大台がどの位かは人によって様々でしょぅけど、僕の基準だと170?オーバーって事でしょうか。
いやいや、実は個人的には大柄(縦方向限定)な女性は好きなので、ニッチを衝かれた気分です。
やっぱりね、一緒に歩いていて身長差をあまり感じないというのが良いですね。
という訳で、やや大柄な女性の方、お待ちしております(死ねや)
と、キャラクターはその位にしておいて、物語ですが、基本的には主人公のちょっとした介入で妖精さんたちがノリノリになり、収拾がつかなくなるというパターン。
いわば"わたし"が神様で、妖精さん達が人類で、文明創造ゲームをやっている様な構図ですね。
しかしこのほのぼの感がたまらない。バトルなし、ラブコメなしなのに、何でこんなにページを繰る手が止まらないんだろう。とにかくいい気持ちで和めます。
一応妖精さんの謎とか、伏線として使える要素はありますが、この作品の場合謎は謎のままで良いんじゃないかと思います。
このまったりオーラ、是非味わって欲しい。
個人的な本年ベスト3に文句無しでランクインですね。
本当にほのぼの感が素晴らしいお話ですね。妖精さん達が新しい”ごっこ”を始めれば話は続くので、”わたし”の成長と合わせてもう少し読んでみたい気もします。
妖精さんって、人類を外見的にも内面的にも思い切り戯画化したらこんなのかな、って存在だと思いました。結構刹那的で後先考えず突っ走る所とか、すぐ物事を忘れてしまう所とか。
ですが、そうした暗喩を抜きにしてもこのほのぼのとした感じは素晴らしいです。
続編は読んでみたいですね。まずはペーパークラフト生命体を何とかしないと、妖精さん達は淘汰されてしまったままですが、案外次回には何事も無かったようにのほほんとしていたりして(笑)。
"わたし"には成長して欲しい反面、お爺さんとの掛け合いが面白いのでこのままでも良いかなという思いもあったりします。