2007年04月17日

巷説百物語 京極夏彦

「御行奉為――」

巷説百物語巷説百物語
京極 夏彦

角川書店 2003-06
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確かこの作品アニメにもなってましたよね。
テレビつけたらやってて、何話か見た記憶があるんだけど、当時は今ほどアニメ熱上がってなかったし、京極作品からも離れていた時期なので続けては見てません。
記憶では独特の作風でサブカルチャーというか、バッドトリップというか、とにかく前衛的な雰囲気が漂っていた気がします。
何かまた見てみたくなったので、今度レンタル行った際に探してみよう。


巷説百物語HP
http://www.tms-e.com/on_air/kousetsu/index2.html


と、大きく話しが逸脱しかけた所で本題。
一言で言うなら、江戸時代が舞台の京極堂。
もっとも、主人公は古書店の偏屈主人などではなく、金で復讐を請け負う小悪党一味なんですが。
やっている事は必殺仕事人みたいなものですが、実際には周到な罠に陥れる事で、自らの罪を悔いる様仕向けるというもの。
犯した罪の影を"怪異"、あるいは"妖怪"になぞらえ、それを"祓う"事で、業から解き放つという展開は、事件を怪異や妖怪になぞらえる京極堂の展開とだいたい同じ。
ただ、この小悪党一味は、ひねくれ者で詭弁使いの京極堂に比べると随分人間臭い所があり、また、進行役の百介も関君に比べると随分マトモな人です。その辺りで、作品の味わいに異なる趣が出ているかも。


正直な所を言うと、この小悪党達――御行の又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、によって仕掛けられる罠は、複雑で込み入ったものではあるが、そうであるが故に、おいそれと相手が掛ってくれる様な代物には思えません。
だから、読んでいてこれはちょっと強引かなと言う部分が色々ある。狸の話や辻に打ち捨てられる屍の話など、かなり運という要素が常に良い方向に転がり続けないと、看破されかねないトリックです。

しかし、そうでありながら僕は京極堂シリーズよりもこのシリーズの方が面白いと感じた。
時代劇だからこそ、嘘も強引な展開も、許容してしまうのかも知れません。
また、まだ文明が闇を駆逐していない時代だったから・・・と言うのもあるかもしれません。
何れにせよ、京極氏の作風は時代物の方がマッチしている気がします。

ちなみに本作、京極本にしては比較的ライトで読みやすいものでした。レンガ本じゃないし(笑)。


ラベル:書評
posted by 黒猫 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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