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流石売れているだけあって、これは面白かった。
まず、今までに有川氏の本は「空の中」、「海の底」、と読んできた訳ですが、この図書館シリーズは物語の設定としては間違い無く一番トンデモです。
ありふれた日常に、突如怪物や楕円形という非日常的なものが飛び込んでくる前二作に対して、この「図書館戦争」では、基本的には自分達の住む日本とは違った歴史を歩んだパラレル日本が舞台となっており、しかもその日本では図書館が武装し、表現の自由を規制しようとする国家機関と文字通り戦争をやっている・・・と言う、完全に非日常な世界に、現代日本にも通じる風刺を忍ばせていると言う構成。
しかし、実の所そんな設定は殆どお飾りみたいなもので、やっている事はひたすら微笑ましいラブコメだったりする。
必要以上に熱いヒロインに、不器用な鬼教官、王子様にエリート子息のライバル・・・。よくぞここまで揃えたもんだなと言いたくなる位に駒も揃っています。
何となく堂上小牧コンビは、「海の底」の夏木冬原コンビを思い出させるものがあるのもファンサービスの一環か。
今だから敢えて言うと、前二作は確かに面白かったんだけど、微妙に乗りきれない部分があったのも事実。
それはシリアス展開の中に、恋愛要素めいた物が混ざっていて、まるで安っぽいハリウッド映画みたいな雰囲気をどこかに感じていたからなんですが、本作については敢えて前面に恋愛要素を持ってきており、展開もコメディタッチで、最初からB級路線を突っ走っている潔さが逆に爽快。
ええ、冒頭でヒロインが教官とバーリ・トゥードを繰り広げる(笑)辺りで、
「今回は何かが違う!!!」
と感じましたよ。正真正銘良い意味で。
と、言う訳で本作の設定に細かい突っ込みは無粋。そういうものだと割り切って、無駄に熱い(実は結構ここ僕的ツボ)ラブコメを楽しみましょう。
いや実に面白かった。
・・・上で突っ込みは無粋と書いた後にこんなん言うのもアレですが、図書館での戦闘に使用するのは弱装弾という規定があるとの事ですけど、ライフル弾と、拳銃やSMGの拳銃弾だと一口に弱装弾と言っても殺傷力は天地の開きがあるんだけど。弱装云々以前に、使用火器の制限を設けた方がいいんじゃないのか・・・?
もっとも、図書館が使っている64式小銃の弾はもともとNATO弾を弱装化したものなんだけどね。
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