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まずはじめに・・・この作品、レーベルこそライトノベルですが、内容その他含めて、ちょっとラノベと言っていいのか悩みます。
おそらく出版側としては、ラノベ以外は読む価値すらない!という層が凝り固まると、新規顧客が入りにくくなって先細りに向かうのが見えているので、敢えて毛色の違う事をやってみたという感じでしょう。
そういう意味では、新規の人には釣り餌、ラノ専の人には踏絵だと言って差し支えないと思います。
レビューを検索すると、ラノ専以外の人の記事が多く出てくるので、出版側の目論みはそれなりに当たった・・・のかな。
さて内容。
物語自体は青臭い中学時代を思い出してニヤニヤ出来る内容となっています。では戻れない時代を懐かしみ、心地よい喪失感を味わうタイプの作品かというと・・・ちょっと違う。
2人の主人公のうち、片方は原田と言う三十路の男性教諭であり、彼はやや大人にしては遠慮の無い部分があるとは言え、基本的には大人視点です。
物語は中一少女の晴と、この原田とのかけあいが軸となるため、完全に子供視点に浸ることは出来ません。
でも、これがまた、大人の事情と子供の主張のぶつかり合いみたいで実に良い。感覚的には「鋼の錬金術師」における主人公達と軍の大人達との微妙に微笑ましい関係を思い出します。
僕は年齢的にも原田先生に近いので、やっぱり大人視点で読みましたが、多分若い人は晴の視点でも楽しめると思います。
晴の、まだ挫折も知らないであろう純粋さは、ちょっと色々凹んだ僕には眩しすぎますです・・・。
舞台が1979年と言う事で、当時流行っていた洋楽の話題が頻出します。最も、作者の音楽趣味をひけらかす類のものではないので、別に知らなくても物語を楽しむ事は出来ますが、知っていたらより作品を味わい深く楽しめんじゃないかと思います。
なにぶんセカイも魔法もツンデレも萌えもありませんので、いわゆるラノベのテンプレートからは外れていますが、僕個人としてはこういう作品は充分アリだと思います。
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