2007年02月08日

歩兵型戦闘車両00(ダブルオー) 坂本康宏

「合体軸ブレなし!」
「固定状態、問題なし!」
「ダブルオー変形システムロック!」
「チェンジダブルオー!」

歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)
歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)坂本 康宏

おすすめ平均
starsおもしろ、悲し
stars社会人にちょっと疲れてきた人のための佳作
stars面白いけど、どこかで見たことがあるような……
starsまあ、読んでみてください!
starsほのぼのエンターテインメント

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これは素敵な変形合体ロボットですね。

環境庁所管のロボット兵器が、人類の生存を脅かす謎の怪獣ダイオキシンDと死闘を繰り広げる話です。色々なアニメや特撮のエッセンスが凝縮されていて、B級テイストが好きな人にはたまらない内容だと思います。僕も基本的に嫌いではありません。


本作はタイトルにもなっている00式歩兵型戦闘車両・・・通称ダブルオーの活躍が見所ではありますが、それ以上にこのダブルオーを操縦する3人のパイロット達の無駄に熱い人間ドラマが非常に良い感じです。

会社をリストラされた当日に恋人にも裏切られた雨月。
元いじめられっ子で、性格が屈折したフリーターの妹尾。
かつて仕事中に起こした人身事故が原因で職にありつけず途方にくれている胡子。

この3人がパイロットにスカウトされ、ダイオキシンDとの戦いの中で心の傷を克服していくという展開。
スーパーロボットモノにありがちな単純熱血バカとは違い、月給20万円(地方都市が舞台なのでこの金額は東京の30万と同等くらい)で命を賭けられるかよと、どこか冷めた部分がありますが、家族のため、仲間のため、そして裏切られたとは言え、かつての恋人のために戦います。一度熱血スイッチが入ると熱い熱い。
3人とも事情アリな人物だけに、その姿は勇ましいと言うよりも、やや悲哀が漂っているのがまた味わい深いデス。

底辺を流れるモノは以前読んだ逆境戦隊バツにも通じる物があり、また作者の坂本氏のブログを読むと、日々の日記からも同じモノが漂っているので、これは個性と言うか、まあそんな感じのものでしょう。
ある意味、坂本氏は、坂本氏自身にしか書けない作風を持つ稀有な作家さんだと思います。(地元の人なので若干持ち上げ要素あり)


ただ、本作はデビュー間もない頃の作品なのでどうしても文章がぎこちない感じがします。ぐぐっと熱く盛り上がるシーンでもどこか淡々とした感じがして、作品の方向性が方向性だけにもう少し扇情的な文章の方が良くないか?と思った部分がいくつもあります。
これに関しては近作ではかなり洗練されて来ているので殊更取り上げるほどの事でも無いかも知れませんが。
ま、その辺差し引いても充分面白い作品です。



・・・それにしても、ウチの県の人ってさ、何で郷土にこんな面白い物が書ける作家さんがいるのにスルーしてるんでしょうかね。路線が全く違うけども、片山某よりは文章力も構成力もあると思うんですが。
高知出身のベストセラー作家さんなんかは、本の帯に高知県知事から推薦文まで貰っていて、県としても応援するよーという姿勢が窺える訳ですが、それに対してウチの県は・・・。

県人代表として眞鍋かおりにブログで取り上げてもらうとか、水樹奈々に推薦文書いてもらうとかしたら知名度上がるかも(笑)。
タグ:書評
posted by 黒猫 at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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