2007年01月24日

悪魔のミカタ 魔法のカメラ うえお久光

「この、悪魔」


昨年ジャストボイルドを読んで以来ずっと気になっていた悪魔のミカタ、とりあえず本がある程度溜まったのでぼつぼつと読み始めました。なにぶん全13巻と長丁場ですが、のんびりと進めていきましょう。

なお現状のこのブログでは記事が散逸してしまい、シリーズものとかの感想が纏めて見れないので、現在作家やシリーズごとに整理してリンクを張った別館をデッチアゲ中です。


で、感想。
一巻はそれ程でもない、3巻辺りから面白くなるとあちこちで言われていますが、個人的にはそこそこ楽しめました。
一巻の特徴として、全編通してミステリー仕立てになっている事が挙げられますが、ぶっちゃけ中途半端です。

真犯人は中盤ではっきりと明かされているのに、物語は右往左往。刑事コロンボの様に読者に犯人を明かしているなら、やっぱりひたすら犯人の外堀を埋めて追い込んでいく展開で無いとカタルシスは感じられません。
真嶋の存在は物語の進行上必要なのは判りますし、あのタイミングで真嶋の自殺騒動を持ってくる必要性も理解しないではないんですが、それでも物語のテンポを著しく損ねています。かと言って、真犯人が判明するタイミングをずらすと・・・うーん、構成的にジレンマに陥っているなあ。


と、そんな状態でも何故楽しめたのかと言うと、やっぱりコウという主人公が、どう大筋としての物語を引っ張っていこうとしているのかがはっきりしているからだと思います。

"決して謝ってはいけない。間違いを認めてはいけない。例え自分が間違ってても、悪いと思っても"

自分がこうしたいと思ったら、上記の様な覚悟が必要で、多分それは一番苦しい選択でもあるんでしょうけど、それでもへらず口とやせ我慢で我が道を往く。
素晴らしく往生際が悪くて格好悪い生き様ですが、僕はカコイイと感じます。
敢えて格好悪く生きる格好良さ・・・って意味不明ですね(汗)


ところで展開が微妙に地獄少女じみていたのは気にしちゃ駄目ですか?(初出はこっちの方がかなり先ですが)




悪魔のミカタ

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posted by 黒猫 at 20:49| Comment(6) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どもです!

自分これ、持ってはいないのですが、どうかな〜っと思っていたのですごく参考になります!

ありがとうござりますです!


これからも、粋のいい記事楽しみにしてます!


では。
Posted by セトラ at 2007年02月12日 20:52
セトラさんどーもです。
僕はいくつかのサイトでこのシリーズ、電撃で一番面白いとか、神作品とか言われているのを見て読み始めましたよ。
噂では3巻からがメキメキ面白くなるそうです。

ただ地の文が若干前衛的なので、そこに馴染めるかどうかというのはあるかもしれません。
予定では本年中にシリーズの刊行ペースに追いつきたいです!
Posted by 黒猫 at 2007年02月12日 23:00
黒猫さんの記事みて、どうも買ってみたくなって「一巻」購入しちゃいました(テヘ)

まぁ、ゆっくり買って読んでいきますので「風の聖痕」ともども記事楽しみにしていますね!
Posted by セトラ at 2007年02月15日 22:36
またまたこんばんは。
はーい、ウチの方はジャストタイミングでスティグマの2巻もゲトしました。
いやあ、初期の巻は本屋さんにも置いてないし、ブックオフ探しても番外編の綾乃ちゃんの〜しか無かったし、なかなか入手困難ですよね。
アニメは春からみたいですので、ソレまでに3巻位までは読んでおこうと思います。
後は放送があってくれれば文句なしですが、なにぶん田舎なので運任せ(泣)

しかし最近積ん読本が軽く50冊オーバーで尻に火が付いていたりするのは内緒です(笑)
Posted by 黒猫 at 2007年02月15日 23:31
一巻さきほど読み終わりました。

まぁ、面白くはあったというのが感想でしょうか。
とりあえず、問題なのが、「コウ」が「ホームズ」ではなく「ワトソン」だということでしょうか・・・

感情で動かない分、感情移入しにくいキャラではあると思います。
ただ、黒猫さんのおしゃられている通り「自分がこうしたいと思ったら、上記の様な覚悟が必要で、多分それは一番苦しい選択でもあるんでしょうけど、それでもへらず口とやせ我慢で我が道を往く。」というのは惹かれるものがあります。



とはいえ、盛り上がりがちょっと薄かったのは事実です。

まぁ、これから3巻まで買ってこようと思っている自分がいっても説得力はないでしょうけどねww


では。
Posted by セトラ at 2007年02月17日 20:27
セトラさんこんばんはー。どうもです。
読まれましたか悪魔のミカタ。読まれましたね悪魔のミカタ。

>「コウ」が「ホームズ」ではなく「ワトソン」

2巻のあとがきで作者の方も言われてますが、ミステリーとしては今一つだった様です。実際巻が進むごとにミステリー色は薄くなり、知能バトルと捻ったギャグ比率が上がるそうです。

基本的にはコウのハードボイルド的な生き様に共感できるか否かという部分が大きいかも。

ちなみに2巻は迷作認定していますww
なんつーか、作者が今後どういう形で物語を引っ張っていくか試行錯誤した形跡がプンプン感じられますよ。
Posted by 黒猫 at 2007年02月17日 21:26
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