一読した感じは、正統派の少年漫画みたいだというのが感想。
最近ライトノベルは萌え方面と女性向け方面が優勢で、こうした少年漫画路線は少数派となっていますので、何となく読んでいて懐かしい感じがしました。
地獄を脱走して現世に舞い戻り、悪行の限りを尽くす亡者と、それを再び地獄に連れ戻す輪廻護法官の少年サバキとの戦い。本作独自のギミックとして、拘束した亡者を法廷にて断罪して転生先を決定するという要素があります。法廷と言いつつ、サバキが検事件裁判官で、被告人には弁護士もいないというまるでどこかの独裁国家の法廷みたいなものですけど(笑)
しかしこの法廷で亡者側の言い分が語られるので、戦闘中にわざわざ解説的な台詞を喋ったりする不自然な展開に陥る事は回避されています。アイデアとしては悪くないと思うので、もう少し被告人との法廷バトルの様な要素があれば燃える展開になるでしょう。
ヒロインの綾香は超絶不幸体質。原因は生者としてはありえない量のカルマを背負っているためで、それ故に常に運が悪く、またそのカルマを見た亡者達が集まってくるという、何とも厭な設定です。亡者が引き起こしたバスジャックに巻き込まれた時も、帰宅後両親に、
「おまえのことだから、きっと巻き込まれているに違いないと思ってたんだが、やっぱりか」
とか
「ほんとに巻き込まれてるなんて、ママびっくりしたわ〜」
とか言われてるし。すごい親だ(笑)
ちなみに、何故そんなにカルマを背負っているのかは現時点では謎・・・多分物語の深い部分に関わるものだと思いますが。
著者の方はもともとライター業の方というだけあって文章や構成は手馴れた感じがします。ただキャラクター的にヒロインやサブキャラが今ひとつ影が薄い感じがしました。一番印象に残ったのが歩川だっというのもいかがなものかと(笑)
何だかんだ言ってますが、次巻も買うと思います。印象は悪くないので。
サバキの時間
個人的な願いなんですけど「サバキの時間」の2巻を書いて下さい!!!
私はいまだにサバキと綾香がパートナーとなって
オルフォルスを倒したのか気になっています!!
最近のラノベには珍しいけれん味があってなかなか良かったですサバキ。
で、女性の方のお願いは何でも聞いてあげたい限りなんですが、2巻は作者の方にしかニントモカントモ。
まだシリーズは続きそうな感じですし、オルフェウス戦はいずれ避けて通れない道です。
今は作者の方を影ながら応援しましょう。