荒野の七人をモチーフにして、西部の田舎町に巣食う無法者集団とスペンサーとその仲間達との戦いを描いた、シリーズ中異色作。
実はあの人が・・・というどんでん返しは用意されているが、予想の範囲内です。
初登場時から何か言動が変でしたから。
本作のセールスポイントはこれまでに仲間として、あるいは敵として登場したキャラクターがスペンサーの下に集まり、無法者集団に立ち向かうという講談調の展開。
スペンサーワイワイワールドとでも言いますか、どちらかというとファンサービスの要素が強いかもしれません。
中間達というのが、正義や友情の為ではなく、ドンパチやりたいだけという面々だったりするのが実にスペンサーらしい点です。ホークが霞んで見える(笑)。
中盤はひたすら仲間集めの為にスペンサーが東奔西走する展開となりますが、ここでページ数をかなり消化してしまったのか終盤のドンパチがやや物足りない感じでした。
折角一癖ある仲間を集めて、折角渋い銃器を集めたのに・・・。
でもスペンサーとガンマン達の部活動めいた合宿?は結構面白かったです。この作者体育会系のノリ好きですね〜。
毎度の事ながらスペンサーの銃へのこだわりはなかなかで、仲間達がグロック等最近の銃に乗り換えていく中未だにS&Wの5連発リボルバー(チーフスペシャル?)を頑なに使い続ける点や、今回総勢約40人の無法者達と戦う為に集めた武器の中から敢えてレバーアクションのウインチェスターを選ぶ点とか、渋いというのを通り超えて偏屈の域に到達していますね。
ラベル:書評