横山 信義
前作「修羅の波濤」は一応全巻読んだ記憶があるが、もう内容は忘れかけてます。
確か開戦劈頭主力空母がごっそりやられてしまった日本軍が、いかに巻き返しを通して図るか…と言うよりも、空母が無くなったんだから大鑑巨砲しか無いじゃない!な話だった気がする。
もちろん日本戦艦無双で圧勝!!な節操のない話ではなかったですが。
そしてこの修羅の戦野です。
今度は満州に侵攻してきたソ連軍が相手だという事で、陸戦メインですね。
従来の日本戦車ではソ連の機甲部隊相手には足留めにすらならないですが、対米講話後にアメリカからM4シャーマンが供与されていますから、何とか撃ち合う位は出来る感じ。と言ってもT-37/76相手の話で、いずれスターリンやT-34/85が出現することがあればどうなるかは分かったもんじゃないですけど。
流石に慣れない陸戦描写で疲れてきたのか、後半は海戦です。ウラジオに向かうガングート級戦艦3隻を撃沈すべく、角田覚治に唆された宇垣纏が日本に残された貴重な戦艦2隻を率いて第二次日本海海戦よろしく戦いに臨む…遼東半島まで押し寄せたソ連軍に対する対地砲撃の任をうっちゃって。
大鑑巨砲による艦隊決戦の夢に取り憑かれた宇垣はどう見ても死亡フラグ。
だがそれ以上に宇垣に艦隊決戦を吹き込んで炊きつけた角田こそがA級戦犯だお。
敵は前線ではなく身内ありってやつですね…。