2006年09月16日

ゼロの使い魔 2巻/ヤマグチノボル

ゼロの使い魔(2)



実は結構前に読んでいたんですが、アニメとの兼ね合いで記事にするのを止めていました。
しかしアニメの方もアルビオン編が終わったので、ネタバレの心配なく書けます。

一巻はツンデレ風味のライトファンタジーとして特にシリアスな展開も無く、ただひたすら読みやすさを追求した作品でした。二巻でもその基本路線に変更はありませんが、隣国での革命騒動と、それを端に勃発するであろう国家間戦争への予感という大きなうねりが物語の軸に据えられています。ルイズと才人、ルイズの許婚であり、トリステイン王室を裏切って革命勢力側に寝返ったワルドや、アルビオン王家に恨みを持つフーケなどの主要登場人物もこの歴史のうねりの中で翻弄される駒の一つでしかありません。

革命というテーマを取り扱いながらも、「ベルサイユの薔薇」とは違い革命勢力側を敵に据える作者のスタンスは、近年の保守本流ブームも多少なり関係あるかもしれません。
実際フランス革命でも革命後にやって来たのは恐怖政治だった訳ですが、それでも一握りの血族に連なる人間だけが権力を掌中にする体制が健全とは思えないのですが。
一応作中ではフォロー的に、革命勢力レコン・キスタ(スペインの国土回復運動やね)は武力によるハルゲキニアの統一とか聖地の奪回とかを目論むと言う、かなり無理がある悪役要素を背負い込まされています。ご都合主義という奴です。

しかし、この作品はこうしたご都合主義的要素をふんだんに盛り込まれながらも、極限まで読みやすさを追求したテンポの良い展開と、あまりにシリアスな展開に陥る事無く読者のテンションを一定に維持させるキャラクター演出の妙との相乗効果により、強引な展開すら瑣末なことに感じさせてしまう魔力があります。
あるいは強引な展開すら、読みやすさを作り出す一要素として利用しているのかも知れません。

いわゆるライトノベルで思想やら哲学やらを深読みするのは無粋の極みでしかありませんので、ここは肩肘張らず気軽に読むのが吉でしょう。実際それを主眼に置いて書かれた作品なんですから。





posted by 黒猫 at 22:55| Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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