2006年08月28日
楽園の知恵/牧野修
以前コメントを頂いたあひるさん推薦の一冊。早速amazonで取り寄せて読んでみました。
内容は短編集と言う事で、ホラーテイストあり、不条理あり、コメディありと盛りだくさんなのですが、牧野節とでも言うのでしょうか、現実と薄皮一枚で隣り合う妄想世界との境界が溶け出したような、延々メタな文章の洪水で躁鬱渾然一体となったなまめかしい世界観だけは共通しています。
この部分にこそ牧野作品の魅力があると僕は思っていますが、人によっては意味不明に感じるかも知れません。客を選ぶ作家ではありますね。
個人的に好きな話は「召されし街」でしょうか。グロテスクでありながら美しい。本当にこの作者の頭の中は一体どういう構造をしているのでしょう。
馬鹿馬鹿しくて笑えたのは「演歌黙示録」。演歌と魔術の関係を民明書房ばりに胡散臭く解説したと思ったら、いきなり終盤は宇宙的恐怖、いわゆるコズミック・ホラーに結びつける強引さ、全く予想できない展開です。
他の短編もどれも味わいのある作品群ですので、最期の1Pまで退屈する事無く読めました。
信者になりそうな悪寒。
41冊目。
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