2011年04月28日

ジェノサイダー―滅びの戦士たち 梶尾真治 感想

ジェノサイダー―滅びの戦士たち (ソノラマ文庫)
梶尾 真治 米田 仁士
4257766751


行方不明となっていた有人火星探索船が地球に帰ってきた。
しかしその乗組員達は、人ならざる存在『ジェノサイダー』と化していて、人類を滅べすべく暗躍を始める…という、B級テイスト溢れる娯楽SF。
SFと言ってもハードSF的な要素は皆無で、どちらかというとハリウッド映画のノリに近い。小難しいことは考えず素直に読むのが吉。

いきなりだけど、なぜ乗組員達がジェノサイダーなる怪物に変化してしまったのかに関してのタネ明かしが正直なところヤケクソ気味に感じた。人類を宇宙に発生した異常細胞と定義するのも、些か時代を感じる部分がある。
異常細胞を駆除するキラー細胞的な存在としてジェノサイダーが発生したという基本構造自体は興味深いものがあるだけに、変に神を匂わせる意思を背景に据えたのが逆効果。
もっと自然発生的にジェノサイダーが出現したという方が良かったかな。

あと作中で原発を派手にデストロイしたりとかは、原発=絶対安全神話が生きていた当時だからこそ許されたジョーク。
今となっては笑えないネタなんだろうな。



posted by 黒猫 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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