2011年04月21日

亜欧州大戦記 4巻ソ連軍冬季大反攻 感想

亜欧州大戦記〈vol.4〉ソ連軍冬季大反攻 (歴史群像新書)
青木 基行
4054009344



冬と共に奴らはやって来る。

黒竜江を渡河し、要衝ブラゴヴェシチェンスクに迫った日本軍だが、補給線の維持に四苦八苦しているうちに戦線は膠着、そのまま季節は冬へともつれ込んだ。
そして冬将軍の到来とともにソ連軍の反攻作戦が開始されたが…というユラ戦第4巻。

サブタイトルの冬季大反攻という惹句からは、砲兵と機甲戦力による蹂躙劇が始まるのかと胸踊らせたが、意外と規模の限られた反攻作戦だったのに拍子抜けした。
実際には戦場の神が神罰を思う様にぶつけた戦線もあったと触れられているのだけど、何故かそうした戦場は詳細に描かれなかったのが気になる。
日本の歩兵中心の戦力ではあまりに一方的な殺戮劇になるのが目に見えているので、敢えて割愛したのかもしれない。

全体として煽った割にこじんまりとした戦いに終始した感があるが、日本の戦力を考えればブラゴヴェシチェンスクを巡る攻防戦に焦点を絞ったのは正解なんだと思う。
この戦いで両軍共に大損害を被った事もあり、東部での戦闘は当面膠着状態。次の巻からは欧州方面を舞台とした戦いにシフトするらしい。1巻以降出番が無かった海軍の奮闘に期待したい。



posted by 黒猫 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦記・ミリタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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