
長く停まっていた物語が怒涛の様に核心に向かって流れ始めた12巻。
これまで小出しに振られていた複線がどんどん意味を持ち始めた。
伊藤氏はアクション描写にも定評があるが、こうした複線の活かし方も非常に手馴れていて非凡なものを感じる。
ただ絵柄が変ったせいなのか、それともギャグが減ったせいなのか、どことなくワイルダネスのノリに近くなってきた気がしなくもない。
今までの「何でこの人たち死なないの?」というジオブリクオリティが下がってどこか殺伐とした雰囲気が漂い始めたというか・・・。
12巻の主役は神楽メンバーではなくハウンド。DAX-1を巡る攻防、M4号との戦い、そして「あの女」への接触、物語を牽引しているのは全てハウンドと隊長の矢島。
確かにこれじゃギャグ差し挟む事はできんよなあ。
いよいよ動き始める「あの女」。
入江は彼女に付き従っているけど、彼のキャラクター性からして腹に一物ある気がしなくもない。今後彼の動向も気になる。
これまで囁かれてきた噂では田波が神楽を抜けるとラスト直前の追い込みに入るという事らしいが、まだ田波にその気配は無い。
むしろその前に神楽の組織そのものに危機が迫っている。
さて、これから物語はどう転がるか目が離せなくなってきた。