2010年07月07日

城は踊る 感想 岩井 三四二



城は踊る
岩井 三四二
404621449X



ああ、これ面白いな。
有名武将はほぼ登場しない、名もなきいち武者の視点で描かれる城攻めの物語。
派手な合戦はありませんけど、戦国時代当時の武士の置かれた立場と、リアルな城攻めの描写が魅力的。世の東西の違いはあれど、富士宏先生の『城物語』に通じるものがある。

後半はちょっとドロドロした愛憎劇が入ってきておや?と思える部分もありますが、しかし私怨によって戦が行われ、それに従うしか無い理不尽と虚しさを描くのもある意味リアルといえばリアルか。読後感は決して爽やかでもなければ感動もしない。でもそれは物語としてつまらないという意味では決して無くて、出来すぎた講談調とは一線を画する生々しさ故なんだと思う。

ケレン味ばかりを追求した昨今の歴史物に食傷気味なら楽しめる。たぶん。



posted by 黒猫 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がない ブログに表示されております。