スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 三浦 みどり

大祖国戦争に兵士として、あるいはパルチザンとして関わり、そして戦った女性たちの証言を集めたノンフィクション。
証言を集め始めたのはまだソ連が存在していた当時であり、戦争の悲愴さ(悲惨さではないのがポイント)を強く感じさせる本書は出版にいたるまで様々な障害が存在した事に随所で触れられていて興味深かった。
特に戦争の真実を描こうとした著者に対して検閲官が述べた"真実はそこに存在しているものではなく、そうありたいという理想の中にあるのではないか"という旨の発言は、ここ10年ほどの日本の言論界にもそのまま当てはめることが出来て戦慄を感じた。
こうありたいという理想の姿に疑問を感じる者は国家の敵として認定される。それを党がやっているのか党支持者がやっているのかの違いはあるが、構図は変わらない。
集められた証言は実に生々しくて、感想を述べることすらはばかられるものばかりなので深くは触れないが、純粋な愛国心で戦争に従軍したのに、戦後においても長い間人々に偏見を持って見られる運命を背負わされ、沈黙を余儀なくされていた元女性兵士達の抱える心の闇のようなものは読んでて辛くなる。
呑気にソ連軍の女性兵士萌えとか言ってた俺的にはものすごく衝撃的でした。

