最後の星戦 老人と宇宙3 (ハヤカワ文庫SF)
前嶋重機
これまた完結。
最終巻は前半部は惑星開拓物語、後半はコンクラーベとCDF両軍の間で奔走するペリーという密度の高い展開。
読んでいる途中は、開拓物語で最後までやってくれても良かったのにと思ってたけど、大冒険の果てに最後の最後で20年前(1巻冒頭)に旅立った家に帰るなんて展開を見せてくれたので満足です。
ただ、3巻は全体として慌ただしい感があり。恐らくちゃんと描けばもう2〜3冊ぶん位書けそうな話を、あちこち端折って1冊に詰め込んだ感じ。
だから例えば惑星開拓編で入植者達と原住民との間に発生した争いなんかは完全に放置されたままになりましたし、終盤でペリーがコンクラーベの提督になる辺りはかなり強引に進めた感じ。
それにしてもペリー提督がCDFによって事実上の閉鎖惑星にされている地球に降り立つとか、日本人読者意識しすぎだろ…そう考えるとコンクラーベがアメリカ、CDFが日本にも見えてくる。
特にコンクラーベの、"とりあえず降伏勧告して無視したら問答無用に焼き尽くす"やり方なんてアメリカそのものだもんなあ。