鈴木 理華
3巻目にしてようやく護樹騎士団の存在が明確に語られました。
これまでにも台詞の端で触れられる事はあったものの、ほぼその場限りで存在を匂わせる程度の扱いでしたからね。長かった。実に長かった。
アイルコーン家の侵略と山賊団の跳梁を一挙に片付けるという事で結構慌ただしい展開の3巻。
しかし慌ただしい展開でありながらアイルコーンの守護機ザラマンダとの闘いの途中での護樹騎士団士官のアシュレイ・ジュード少尉との出会いと、彼に憧れて騎士の道を目指す決意をする事など要点はしっかり押さえてあるので、ただひたすら状況に流されるばかりの2巻に比べると物語がずっと引き締まった感じがします。
山賊の変態息子に×××されたノアン救出&討伐に関してはほとんどアイルコーン戦の返す刀という感じでしたが、リジューが初めて指揮官としての役目を果たしたという意味では結構大きな出来事だったかも知れない。
もう抜き差しなら無いところまで来てしまったという意味で。
3巻で一番印象的だったのはやはりオゾンのこすっからくも図々しい策士ぶりでしょうか。
リジューは完全に彼の掌の上で操られているよ…。
ところで、読者のターゲット層として女性を狙っているためか、挿絵が人物ばかりで守護機が全くビジュアルとして描かれないのですけど、せめて巻末にでも設定資料的なものを付けて欲しいと願うのは贅沢でしょうか。