2010年01月15日

プロバビリティ・サン 感想 ナンシー・クレス

プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)
Nancy Kress
4150116946



シリーズ一作目の『プロバビリティ・ムーン』は、地球人とフォーラーと呼ばれる異星人との宇宙戦争を背景にしながらも、内容は"世界"人とのコンタクトものであり文化論的な色彩が強い異色の作品でしたが、シリーズ2作目の本書ではやや宇宙戦争的なムードも出てきました。
と言っても直接的な戦闘は描かれず、"世界"に眠る戦局を覆す力を秘めた人工物の謎に大きく迫るという意味で戦争と言う背景を強く意識させるという形。
敵異星人のフォーラーを捕虜にしたりと1巻よりは剣呑な部分が出てきたと言うだけで、やっている事そのものに関してはあまり変わってない気もします。
捕虜にしたフォーラーともコンタクト計ったりしてるし。


フォーラー側も同様の人工物を入手していることや、互いに人工物を使った戦争を行うと宇宙そのものが崩壊してしまいかねない点など、互いに地球を滅ぼすに充分な量の核兵器を突き付け合っていた冷戦時代を思い出させるものがあり、完結となる3巻でどのような物語が展開されるのか先が良い意味で見えなくなってきた気がします。

なお作中の人工物の効用に関しては超ひも理論などに絡めた宇宙論をベースにして語られていますので、たぶんそっち方面をある程度齧っておいた方がより理解が進むと思う。理解できればの話ではありますが。自分にはちょっと荷が重いですw
冒頭で参考文献としてブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」が挙げられていますので、機会があれば手に取ってみよう。

なお、1巻で読みにくさを演出していた世界人の「共有現実」はこの巻後半で消失します。
おかげで物語のテンポが良くなった上に、共有現実が無くなり個が確立された事によって世界人が地球人と同じ感情――猜疑心などを持ち始めるくだりは微妙に毒が効いていて面白い部分でした。





posted by 黒猫 at 08:53| Comment(1) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by 浜田健次郎 at 2010年01月16日 05:30
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