裕龍 ながれ
先日の記事に続いてこちらも最終巻。
と言っても実質的な最終巻は前巻の「いとしのマリエラ」であって、この巻は今までの巻でミッシングリンク扱いになっていたエピソードを集めた短編集という体裁。
いたずらと呼ぶにはやや度が過ぎる怪物が現れたりイズーさんが使い魔になったり、今までの話の中で触れられてはいたものの、単行本単位では明確に描かれたことがなくてなんぞこれと思っていたあれこれがパチパチとあるべき場所に嵌っていく様は読んでいてそこそこ気持ちいい。
気持ちはいいんだけど、こういう事はもっと前の巻でやるなりして欲しかったのも事実。
最後に収録されている中編は「マリエラ」以後の時系列に当たるので、実質的にはこれが5巻本編と考えてもいいかな。
やっぱりデイルの事やライの事なんかは綺麗さっぱりスルーされていますが、下手に中編の分量で触れても尻切れ蜻蛉になるだけなので思い切った切り捨てはたぶん正解。
大掃除というありふれた一日を描く形式で、ドタバタはありますがシリアスは無し。ある意味、1巻当時に回帰した内容でもある。のほほんとした田舎の村での話として始まった本作品、途中で色々と風呂敷を広げたけども、最後は原点に回帰したと好意的に解釈したい。
ぶっちゃけるといわゆるひとつのシリーズ打ち切りという奴なんだろうけど、そこはホラ、集英社だしきっとよくある話の一つでしか無いんだよ。
ともあれ楽しいシリーズでした。
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