87分署シリーズ第4弾。
今回の事件はハーブ河に浮かんだ女性の水死体を巡る事件。
事件のあらましそのものは結婚詐欺という古典的な代物なのですが、文通募集の雑誌(作中の時代は1950年代)を使って独り身の女性を募り、金を頂いた後は毒殺…と言う話、なんか物凄く最近聞いたような気がするんだぜ?
時代の変化で雑誌は婚活サイトに変わり、毒を盛るのが睡眠薬→練炭のコンボ技に進化したし、なにより犯人が男から女へと変化してしまったけど、大筋の手口はそのまんますぎてふいた。
いや、不謹慎な意味ではなくて、あまりに悪人の考える事は変化がないと言う事にシニカルにふいたという意味ですが。
この巻では87分署の刑事さん達よりも、キャレラの奥さんとタトゥー職人の中国人の二人が活躍しているのが特徴的かな。
気の短いあの刑事なんか最後まで足引っ張るだけの役だったし。
終盤連絡の行き違いで展開が錯綜する辺はスリリングで面白かった。今なら携帯電話で一発なんだけど、携帯が無い時代は結構大変だったんだよね。
ハートの刺青 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-4)
高橋 泰邦