護樹騎士団物語II アーマンディー・サッシェの熱風(かぜ) トクマ・ノベルズ
相変わらず展開は遅い。
2巻ではドゥクトの領有権を巡る争いの混乱の中で、"僕は関係ない"と城下町を逃げ出したリジューが盗賊団の襲撃を受けたり、保護を求めた中立領主が実は盗賊団と結託していたりと実に嫌らしい経験を経て、少しずつ戦う決意を固めていく流れが描かれています。
恐ろしいことに感の7割近くがリジューの逡巡に関する描写で、流石に冗長な感は否めない。
それでも文章がテンポ良くて非常に読みやすいので、気がついたら読了していたというのは1巻と同じなのですが、改めて振り返ってみるとその展開の遅さに面食らう。
アニメで例えていうと、1話分の話に単行本1冊まるまる費やしているという感じです。
多分この先の感も展開速度は似たり寄ったりだと思うので、ある程度覚悟して読む必要はあるかな…。
と、そんな感じではありますが、幾つかは今後の展開に繋がってきそうな要素も。
例えばリジューをごろつきから救った商人の息子ヌーサ・クロウは今後もリジューとの縁が続きそうですし、この巻で初めてタイトルにもある「護樹騎士団」の存在が語られましたし、適度に期待感を煽る仕掛けは散りばめられているんですよね。
この匙加減が憎いというか、冗長さを相殺しているのですが、どうせなら煽りつつもテンポ良く…と望むのは贅沢というものでしょうか。
とりあえず3巻ではシュペル・アンヴァイールでの大活劇に期待ですね。
守護機の輸送台でもって合戦のさなかに突撃して人身事故しまくりんぐなワイルドさを発揮したくらいですから、やってくれると信じている。
護樹騎士団物語1 感想