相変わらず面白いです。
例の如く適当に投げっぱなされる無数のネタ。1巻の感想で何気に書いた「妖神グルメ」もネタに使われているのを見てふいてしまった。物語としてはクトゥルーとは関係の無い方向に進んではいますけど、クトゥルーをネタの柱にしているという点ではより深化していて、わりとマニアックな用語がノーフォローでぽんぽん飛び出す様は、ある種の割り切りが感じられて潔い。結局この作品の評価が真っ二つに分かれているのは、ネタにどこまで反応できたか否かが分水嶺になっている気がする。ネタの1/3以上が理解できたら楽しめるけど、それ以下だと何をやってるのか意味不明というか。
しかもネタが最近の漫画やアニメやラノベ以外のところからも多数飛び出してくるだけに、若い人にはなおもって辛いかも知れない。
2巻では1巻でお邪魔キャラ程度に登場した宇宙的自宅警備少女クー子がパワフリャに進化して、準レギュラーとして参戦してくる訳ですが、叔父のコネでニャル子さんと同じ職場に就職していて、事実上の同僚に。
お馴染みのローテンションっぷりでニャル子さんの寝込みを襲って一緒に大人の階段を登ろうとしたり(私見ではニャル子さんはもう登っちまってる気がするなあ。黒レースの見せパン穿ける人だし)とサーヴィスにも余念が無い。
そしてそんな煩悩少女に対しても例の如く容赦なくフォークを振るう真尋きゅんもまた、ピンポイントにヴァイオレンシーなツッコミに余念が無い。
壮大な宇宙的恐怖を標榜しながらも、描かれるのはニャル子さんの家庭の事情というミニマムさは流石にどうかと思ったけど、もともとのクトゥルー体系の話だって大半が結構小さな事件だったりするのでこれはこれでアリ。
もちろんクトゥルー神話体系には地球とハリ湖を行き来して仲間を集めたり、クライマックスではルルイエに核攻撃を加えたりするスケールの大きな連作もありはしますし、それはそれですごく面白いエピソードなんですけど、その一方で奉仕種族レヴェル相手に右往左往してしまうようなのも沢山ある訳ですからね。
ラストで何気に真尋きゅんのママが伏線を張っているのが気になった。
人の身でありながらゼロフレーム発生を使いこなして邪神に対してフォークを超突き立てる真尋きゅんの存在も結構謎なので、彼の出生には何か秘密があるのかも?
這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)
狐印