別視点で続いてきたアンガスとアザゼルの話がかなり修練されてきた感じです。アークがアザゼル編のあれだったのかー!的な伏線の繋がりも見えてきて、作品自体がまとめに入ってきた感が強い。
ただ、ひたすら温度に差がある物語を平行線上で進行させてきたせいか、それぞれの物語が共に劣らぬ個性のようなものを持ち始めてしまい、これを1つにつなげるのは結構大変だろうなあという気も。
とにかくシリアスなアザゼル編、どこかお気楽なアンガス編。二人の主人公の性格がそのまんま話のムードまで強く牽引してしまっていますからね。
なお、もちろんこれは作品の瑕疵ではなく、それだけ一つ一つの物語の完成度が高いという事でもあります。
ともあれ本来なら完結となるはずだった3巻、まさかラストが1巻冒頭のシーンに繋がるとはと意外な展開でしたが、それだけに真の最終巻となる4巻が気になって仕方ないです(これ書いている時点ではまだ購入して無い)。
これまでの伏線を整理すると、残すところは姫にまつわる部分とアンガスとアザゼルの関係、あとはレッドの真意位でしょうか。
個人的にはスカタン人形なセラ様に最後はもっと出番をあげて欲しいです。3巻はインパクトはあるもののやや出番が少なかった気が。基本〜ですの系で時々ドキソな彼女の様子からは心の内圧の高さが伺えて、密かに本作品一番の見所だと思っているのですが(笑)。
“本の姫”は謳う〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)