とは言え、アルマを巡って送り込まれてきた4人のドラゴンキラーとのバトルは、町を戦場に変えるほどの派手なものになりましたし、事が終わって振り出しに戻ったような読後感も悪くは無いです。
だから、なんか完結して無いなあという印象もあるけど、それが決してネガティブな意味では無い。いつでも続きを書こうと思えば書けるけど、ひとまずはここでオシマイという計算された未完と言う感じですかね。
一応主人公のココが最後まで小悪党のままだったのは美点。
変に仏心を出したり改心したりする事も無く、基本的には自己中だけど微妙に甘いところもあるという当初のキャラ設定を崩す事無く描ききりました。
上で触れた微妙に完結して無い感じというのも、ココがラストまで好きにはなれないけど嫌いにもなれない人間性をぶれる事無く貫いたからこそと言うのは間違いなくある。リリィの言うように、町を離れていたとしたら、そして堅気として生きていく事になったら、それはもうココじゃないし、この先も物語は続くと言う感じはしないでしょうね。
と言う感じで物語としてのひとまずの終わり方そのものに関しては悪い印象はありませんが、やはり頁の都合なのか伏線をあっさり処理されたジンの様な存在があるのは気になるちゃ気になる。
章の始めのモノローグまで貰って伏線張っといて、回収する事無くあっさり死亡というのは寂しい。
全体として4人のドラゴンキラーはあっさり処理された感が強く、やはり1冊に4人ぶん詰め込むのは無理があったとしか思えない。処理こそされなかったけどアイロンも陰が薄いままだったし。
いつか第二期とかやってくれるといいな。ファンタジーとは言え筋書きそのものは海外のアウトローものドラマみたいな感じなので、シーズン化されても違和感無いと思うのですが。
*過去記事*
・ドラゴンキラーあります 感想
・ドラゴンキラーいっぱいあります 感想
ドラゴンキラー売ります (C・NOVELSファンタジア)