ロアナプラも裸足で逃げ出す無法の街を舞台に繰広げられるガンアクションファンタジー第2弾。
今回はココの軍隊時代の上官が登場してココの過去に迫るエピソードが描かれる……かと思いきや、落ちぶれた上官とココとの意地と命を懸けた壮大な喧嘩だっのはどう判断してよいものやら。
同じく軍を抜けた存在同士ながら、ドラゴンキラーをパートナーとして小さいながらも自分の事務所を持つココと、飲んだくれの浮浪者でしかない中尉。
そんな現状に鬱屈とした思いを募らせる中尉はある時もう一人のドラゴンキラー、アイロンと出会い――。
まあ、なんと言うか何故もっと賢く生きられないんだろうかとつくづく思うのですが、それが出来ないから今ここにいるんでしょうね。
それにしてもココの非道ぶりはかなり突き抜けたものがあって、憂さ晴らしの為だけにチンピラを射殺するわ、一度ココと因縁が出来てしまった相手は後で報復の可能性があるからというだけの理由で皆殺しだわ、すげえ主人公だ。
しかしこれのどこがハードボイルド?
表紙にはハードボイルドファンタジーとか書いてるし、レビューサイトさんの中にもハードボイルドだと評しておられるところがありますけど、ハードボイルドとピカレスクを混同してない?
ハードボイルドって基本やせ我慢の世界だから、憂さ晴らしに暴れたりなんかしないし、後で報復があると承知した上で相手を見逃したりしてこそナンボでしょう。
バイオレンスとかピカレスクと言うなら判るけど、ハードボイルドとはちょっと違うんだなあ。
中尉とアイロンの屈折した内面は良く描けていたと思うけど、最後のシーンであっさりアイロンが心変わりしたのはどうも唐突な感じがした。まあ、頁数の都合なんだろうけど。
*過去記事*
・ドラゴンキラーあります 感想
・ドラゴンキラー売ります