いい加減な地図を使用してポートモレスビー上陸作戦を行ったら本当に成功してしまい、その際に鹵獲した多数のB-17Fを使用してブリスベーンを空襲するという話。
なんと言ってもあまりにあっけなくポートモレスビーが占領されてしまうのに思わず笑った。
史実では辻タンが見込みだけで無理に推し進めた4000メートル級の山が連なる魔のオーエン・スタンレー山脈を越えて陸路侵攻すると言うキチガイじみた作戦で、敵と交戦する前に完全にすりつぶされてしまった訳ですが、こちらの作品世界ではモレスビーの近郊に勢い任せに直接上陸を果たすことで、比較的(日本軍なりに)強力な火力を投入できたのが勝利の鍵みたいです。
架空世界も史実と同じく見切り発車で作戦を開始したのに、結果はまるで違うのは皮肉と言うほか無い。
鹵獲兵器には浪漫がある。
確か某大戦略でも空港や港を占領すると、そこで補給中だった敵ユニットを分捕れるシステムがあったし、パンツァーフロントの前身である某戦車戦ゲームでも擱坐した敵戦車を破壊せずにステージクリアすると、その戦車が使えるようになるという非常に男の浪漫を刺激してやまないシステムが搭載されていました。
敵の兵器を奪うスリリングさと、ポケモン的な集める楽しさ。戦争の大きな愉しみの一つである事は言うまでもありません。
米軍の様に裕福な軍隊は鹵獲した敵兵器は試験場送りにして徹底解析する事が多く、鹵獲兵器を戦場に投入したことはほとんど無いのですが、日本やドイツなどの貧乏軍隊は鹵獲したものを塗り直した程度で実戦に使用した事例がかなりあります。
ドイツ軍がフランスで鹵獲した戦車を使用し、後に様々な自走砲に魔改造した話は有名ですし、T-34みたいな優秀な戦車は3色迷彩に塗りなおしてサイドスカートを取り付けた程度でそのまま実戦に投入しています。
また、日本軍でもマレー侵攻作戦時に鹵獲したM3軽戦車をそのまま使用し、日本軍最強戦車(笑)として獅子奮迅の活躍をした話は有名。
他にもドイツ兵がソ連兵から奪ったPPsh41を好んで使用したなんて話もありますね。
そんな感じで、鹵獲したB-17を持ってしてマッカーサーのいるブリスベーンを空襲する作戦が立てられたのも、決して不自然な流れではないでしょう。
流石に何機かは本国に持って帰るのではないかと思いますけど…フィリピンで鹵獲して持ち帰ったB-17に比べるとあちこち改良されたF型だというのに、あっさり作戦で使い潰すのはどうかなあ。
あと、やはり数十機単位で奪われた機体なら、日本が実戦に使用してくることは米軍も予測しておくべきで、全く何の対策も打ってないのには驚かされた。米軍間抜すぎだろ。
仮想戦記なので若干なりとも日本軍に有利に描いている部分はありますが、あとがきでも触れているように兵器ではマクロな戦局は変わらないと言う考えには大いに賛同。
当時はまだ超兵器で大逆転という安易な仮想戦記が多かったこともあり、敢えてミクロな勝利ではマクロな戦局は覆せないというのを全面に押し出して執筆したのかもしれません。
ラベル:橋本純

