2009年06月14日

これならわかる! 太平洋戦争 感想 三野正洋

[図解]これならわかる! 太平洋戦争
三野 正洋
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内容も解説の仕方も非常に良い意味で教科書的。
いわゆる自虐史観なる臭いも無ければ、勇壮な部分だけ話抜粋編集して亜細亜解放の聖戦を高らかに唱いあげる事も無く、歴史的事実を極力専門用語を排した平易な文章と、判り易い図解ページとで丁寧に解説しています。
著者の三野氏は過去に紫電改最強説をぶち上げた事があって、そのせいで未だにマニアの間ではあれこれ言われている人物ではありますが、この本の場合そもそもそういった個々の兵器や戦術部分にまではあまり深く踏み込んでいないので、特にこれは!と言うほどのものはありません。

ただ、風船爆弾をあまり良く書いてないのは頂けない。確かに戦術的な意味はきわめて薄い物ではあったけど、アメリカ側は風船爆弾を使って生物兵器をばら撒かれる事や、ギャグみたいな話だけど風船に工作員がぶら下がって米国本土まで飛来し、浸透する事も大真面目に警戒してたという。(風船おじさんの浪漫がここに…)
よって、風船爆弾は戦術的にはゴミみたいな兵器ですが、戦略的には意義のある兵器なんだぜ…もっとも、米国本土に生物兵器なんかばら撒いたりしたら、間違いなく東京にもピカドンが落ちていたでしょうけど。



日頃から戦史関係の本を読んで、仮想戦記にツッコミを入れる類の人から見るとはっきり言って物足りない内容ではありますが、つい最近何かの本かブロクで、"大東亜戦争は大日本帝國が東亜解放のために悪辣なる欧米諸国に挑んだ正義の戦いである"なんて感化されちまった人には向いていると思います。
太平洋戦争を知る上での取っ掛かりとなる部分は多く、特に軍組織の硬直ぶりや戦時下での国民生活などいわゆる大東亜戦争を英雄物語として語るタイプの本ではなかなかお目にかかれない記述もあります。
ヒロイックサーガとしての大東亜戦争はそれはそれで胸のすく物語ではありますが、どうせなら歴史としての太平洋戦争も知っておくに越した事は無いと思いますが…どうか。





posted by 黒猫 at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦記・ミリタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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