2009年01月31日

深海のYrr 上 感想 フランク・シェッツィング

深海のYrr 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1) (ハヤカワ文庫NV)
北川 和代
4150411700



以前から書店で見かけて気になっていたのですが、全3巻で1冊500Pというボリュームから尻込みしていました。
しかしこの手の与太生物ネタものは大好物であり、もし内容が多少アレだとしても充分許せる性格なので、思い切って買ってみた次第。

ノルウェーの海底油田建設予定地で発見された未知のゴカイの群生。
それはメタンハイドレートを侵食し、ブローアウト現象や地層の融解を誘発する危険性を大きく孕むものでした。
時を同じくして世界各地の海で発生する異変の数々。
日本近海でも未知のゴカイがメタンハイドレートを侵食し、オーストラリアでは猛毒の水母が大量発生。カナダでは鯨やシャチが凶暴化し、フランスではロブスターに巣食うフィエステリア・ピシシーダに似た未知の渦鞭毛藻によって多数の死者が発生する。
これら一連の危機には何か関連性があるのか――という所で上巻は終わり。
こう書くと500ページも費やしてそれだけ?という気もしますが、これらの事態の描写が非常にスリリングで冗長に感じさせない秀逸なものですから、気が付いたらもう読了していたという感じです。

海という宇宙以上に未知の世界を題材にし、世界規模の災厄というスケールの大きな物語として完成している本作品。まだ物語の1/3地点でしかないのもあると思いますが、一連の事態の原因がまだ全く見えない事もあって非常に薄気味悪い読後感。
生物学に詳しい人ならツッコミを入れつつ冷静に読めたりできるのかも知れませんが、僕は生物学に詳しい訳ではありませんのですっかり作品の空気に呑まれてしまっています。
これは早く続きが読みたくなる作品ですね。


ただ、一つだけ雑音に感じたのは、作者(ドイツ人)が所謂反捕鯨イデオロギーの信者であるらしく、こと鯨に関しては文章の端々に信仰めいたものが散見されます。
当然反捕鯨と言う事は、捕鯨国である日本に余り良い感情は持っていないらしく、日本の技術力は評価しつつも国民性に関しては微妙な描き方をされているので、この点気になる人は気になるでしょう。
キャベツ臭いナチの癖に奇麗事言って(以下検閲により削除)とかちょっぴり思ってしまったら負け。
所詮ゲルマニアの蛮族の寝言と思って広い心で読みましょう。

…僕ももっと心を広く持たないとな(笑)。





posted by 黒猫 at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/113473098
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。