今野 敏

やっぱりと言うか何と言うか、3巻では終わりません。
現在5巻まで出ていてまだ未完のようですが、もうこうなったら完結まで付き合うべきなんだろうなあ。
そんなギガース3巻ですが、カーターやオージェ達プロの軍人が発散する漢臭に溢れていた2巻までと違い、3巻はほぼ新聞記者のコニーが主人公状態。
月面都市で出合ったジュピタリアンの潜入スパイを巡るポリティカル小説ばりの駆け引きがほぼメインとなっていて、この作品が当初目指していたと思われるガンダム路線はどうなったの?と言う部分さえ気にしなければかなり楽しめます。
この辺りの手腕はさすがミステリー畑の人だけあるなあと思わせてくれますね。
2巻の感想で書いたコニー側とアトランティス側の物語が噛み合ってないという点に関しては、今回ジュピタリアンの首魁であるヒミカの存在が明らかになり、またミズキともなにやら関係性が伺える状態となった事で、二つの線がようやく一つに繋がってきはじめました。実に良い感じの流れで、先の展開が楽しみになります。
ただその一方で、空間戦闘が微妙に物足りない。
広大な宇宙空間を戦場にするなら作中の規模での戦闘で正しいのかもしれませんが、やはり戦争と言う位ならば多対多で互いに蹂躙しあう魔女の大釜みたいな戦場が見たい訳です。
こればかりは戦馬鹿の本能に根ざしたものなので、どうにも抑えきれない欲求でもある。
リアリティを多少削いででも戦の臭いを濃密にして欲しいというのは無茶な希望でしょうか。
しかし新型機が配備される運びとなってもオージェにヒュームスを宛がうような無節操な事をしなかったのは感心。
これはヒュームスの汎用性を描きつつも、支援兵器の重要性も忘れない作者のこだわりなんだろうと思います。
特に最近のガンダムシリーズなどではMS万能主義が横行して支援兵器の存在がともすれば無視されがちになっているだけに、こういう姿勢は見習って欲しいところ。
★宇宙海兵隊ギガース 2巻感想
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